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【諸元表追加!】角型シェイプが独特! 三田線三世代目の新型車両・6500形!

2022.02.16

text & photo:RM
取材日:’22.2.16 場所:志村車両検修場
取材協力:東京都交通局

 都営地下鉄の三田線は、1968年の巣鴨~志村(現・高島平)間を皮切りに、2000年の目黒延伸を以て全線開業。近年は直通運転先も含めた沿線の人口増加に伴って乗車率も向上しており、現行の6両から8両への編成増強の方針が立てられ、同時に登場から30年近くを経過した6300形の初期編成の置き換えを図ることとなりました。

 そのための新型車両が、同線用の車両としては6000形・6300形につづく三世代目となる6500形です。基本デザイン構想のコンセプトは「スマート+コンフォート」というもの。局車両部門と車両メーカー(近畿車輛)のデザイン部門が、新しさを感じさせつつも長期に亘って愛着を持ってもらえる普遍性も併せ持つ車両に仕上げたといいます。

▲角ばった形状で無駄な曲面もない前面。

エクステリアデザイン
 「移動を担う都市の一部としての存在感」を表現した、スマートで無駄のない機能美を感じさせる造形。先頭部も含めてシンプルな箱型で、無駄な曲面処理が一切存在しない潔さがあります。カラーリングは無塗装アルミの銀色をベースに、三田線のラインカラーであるブルーを前面周囲と側面窓廻りに強めに配置。青帯の高さが窓高さ(側面窓だけでなくドア窓とも)と揃えられており、ここでも非常に整然とした印象を与えています。

編成・車体
 西高島平方を1号車とした8両編成で、整備時には4両+4両に分割し、簡易運転できる構成となっています。MT比は1:1(=4M4T)。車体は前述の通りアルミ合金製ダブルスキン構造で、大型押出形材をレーザ・MIGハイブリッド溶接で組み立てたものとなっています。

▲車内はロングシートで、注意喚起の黄色部の他はアイボリーまたは金属素材色とラインカラーのブルーで統一感を出しています。

インテリアデザイン
 車内はオールロングシートで、扉間は6人掛けとなっているのが少々目新しいところ。袖仕切や座席幅を従来よりも拡大すると共に、ガラスを多用して明るく見通しの良い客室を実現しています。カラーリングは、エクステリアと同様、金属の素材感とブルーを組み合わせて統一感を出しています。

▲通常7人掛けとなることが多い扉間のロングシートは6人掛けでゆったり感があります。

客室設備
 「人にやさしい車両」を目指し、すべての車端部は優先席(先頭車1ヶ所、中間車3ヶ所)もしくはフリースペース(各車1ヶ所)としました。手すりを増やし、吊り手の高さにも変化を付けることで多くの方に掴まる機会を提供。また乗降扉付近の空間を広げて乗降時の流動性を高める工夫がなされています。

▲各車に1ヶ所設置されるフリースペースには二段となった横手すりなどが設置されています。貫通扉がガラス製で車内の明るさ向上に寄与しています。

▲優先席は、フリースペース以外の車端部に設置されており、座面がグリーン系、手すり・吊り手がオレンジ色系で識別されています。

 各扉の上に液晶ディスプレイを3画面ずつ設置し、右側2画面が行先案内表示器として複数の言語による案内を表示。また、1両あたり4台の防犯カメラも設置されています。

▲両開きの扉部分の車内側。吊り手の高さにバラエティがあることにも注目。

▲すべての扉上に3画面のディスプレイが設置されています。右手の防犯カメラは1両あたり4ヶ所に設置。

▲運転台は両手持ちのワンハンドル式で、ディスプレイが3画面確認できます。

 この6500形は5月14日からの営業運転開始と発表されています。2022年度末までに順次13編成が導入される予定で、現時点では8編成まで搬入済となっています。

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