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Nゲージよりでっかい!迫力のサイズが魅力の鉄道模型「16番」に迫る!

2022.01.15

text & photo:RMM

 1:80スケール、16.5mmゲージのいわゆる「16番鉄道模型」。我が国では戦時中に始まり、戦後一気に普及をしましたが、昭和50年代以降はより小さいスケールで省スペースで楽しめるNゲージに押され、人口比では少数派となっていました。ですが、最近では比較的手頃な価格のプラ製品による16番の展開も行なわれるようになり、その大きさから来る迫力・質感に魅せられるファンも増えつつあるようです。ここでは手頃に始められる16番モデルを中心にご紹介していこうと思います。

■16番のサイズ感を知る。

▲16番とNゲージ、ふたつのKATO製EF510。

 「どうせ買えないから…」と思いつつも、イベント等で実際に走る16番車両を見て、その迫力に感嘆する…そんな人も少なくないかと思います。そこでまず16番のスケール感を上記写真でご確認ください。左が16番、右がNゲージです。Web記事なので実寸大とはいきませんが、この比較から大体の大きさを想像していただければと思います。

■Nゲージを超える迫力!

▲KATO製EF510の台車廻り。今にも各部が動き出しそうな、繊細ながらも力強いディテールが魅力。

 サイズが大きいということはそれだけ密度が増すということにもなります。模型もコンピューターで設計する時代、画面上では同じ設計図面のデータを伸縮させれば大きな模型を作れそうに思われますが、実際にはスケールに応じた設計がなされているのです。

▲安達製作所から2014年に登場した金属製のC55。細密かつ迫力あるディテールは16番の金属モデルならではのもの。

 また、近年ではNゲージでも細密なディテール工作をモノにする方も多いですが、やはり相対的に大きい模型の方がディテール工作で優位に立つ点は否定できません。特に狭い部分にたくさんのディテールがひしめく蒸気機関車の配管などは、16番のサイズが生きてくるでしょう。

■Nゲージと変わらぬ手軽さ!

▲左はNゲージャーにも馴染みやすいKATOのHOユニトラック。右は堅牢な設計に定評があるエンドウ製ニューシステム線路。

 Nゲージをやっていると、16番でお座敷運転をすることはないのでは?と思ってしまうかもしれませんが、そもそも組線路によるお座敷運転の元祖は16番です。現在ではプラ道床のエンドウニューシステム線路と、Nゲージの技術を活用したKATOのHOユニトラックが二大主流線路と言えるでしょう。
 また、Nゲージでは車両やコントローラー、線路など一式を含めた「入門セット」系の製品をよく見かけますが、16番でも数は少ないながら入門者向けセットが存在します。KATOでは、車両・線路・コントローラーがすぐに揃うセットとして「HO スターターセット キハ58系気動車」(税込36,850円)が発売されており、線路セットとしても「HOユニトラック線路 HM1・HVシリーズ」等の展開されているので、好きな車両と組み合わせて始めることもできます。

●コントローラー

▲KATOの従来の普及機、スタンダードS(品番22-012)でも容量は1A。後継のスタンダードSX(品番22-018)はさらに増強され1.2Aとなった。プラ製EF510の運転ならこれでもOK。

 「16番を始めたいけど、車両や線路はともかくコントローラーまで新調しないといけないのはちょっと…」と思っている方もいるかもしれませんが、最近のコントローラーはNゲージだけではなく、16番でもプラ完成品などを走らせるのには十分な1Aや、それ以上のものが普及しているので、まずはそのまま使うことを考えてもいいでしょう。

●連結器

▲左はTOMIX製、右がKATO製の自連型カプラー。いずれもケーディカプラーと連結して使える。

 各種リアルカプラーが多く出回る昨今のNゲージでも、やはり基本はアーノルトカプラー。では16番の定番カプラーと言いますと、現在ではリアルカプラーの元祖的存在のケーディカプラー、及びその互換(相互連結が可能なもの)が中心です。また、電車の連結面などにはドローバーや伸縮機構付きオリジナルカプラーが使われることもあります。

 プラ製完成品が普及してきた昨今、以前と比べるとさほど敷居が高いわけではなくなった16番鉄道模型。運転を楽しむためにレールと車両一式揃えて始めるもよし、まずは少しづつ車両をコレクションするもよし、自分に合ったやり方で初めてみるのはいかがでしょうか?

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