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16年前にタイムスリップ…小田急ロマンスカーVSE「登場当時」のNゲージに迫る!

2022.01.15NEW

text & modeling:鈴木重幸
photo:RMM

 2005年3月、これまでにないデザインをした鉄道車両としてデビューした小田急50000形「VSE」。先日、主要機器の更新が困難であることを主な理由に、2022年3月での定期運行引退が発表され、多くのレイルファンが衝撃を受けました。
 17年もの間、小田急ロマンスカーを代表する形式であったVSEですが、今回は実車デビュー後1年も満たない2005年12月に発売されたTOMIX製のNゲージ「小田急ロマンスカー50000形VSE」セットの発売当時の記事で、当時を振り返っていこうと思います。

実車引退のニュースはこちらから
これはショック…! 小田急特急ロマンスカー・VSE、2022年3月定期運行終了!!

(本記事はRM MODELS 2006年4月号 No.128の記事から抜粋したもので、製品の情報・価格等は全て当時のものとなります)

■眺めて良し、走らせて良しの好製品

 TOMIXの小田急ロマンスカー製品としては3作目となる今回のVSEだが、近年のHG製品で培った技術をフルに投入した感のある好製品で、実車のイメージをよく再現している。
 まず目が行くのは前面部の造形だが、パーティングラインが全く見当たらない点は特筆される。また、屋根上機器が集中するM3・M8車だが、特に注目されるのは無線アンテナで、逆L字型の本体のみ別パーツとし、独特なダークブルーで成形している点。Nスケールの完成品でここまで再現しているのは初めてではないだろうか。

■美しい車体の質感も再現

 車体の塗装は実車同様のパールホワイトが使用されており、粒子の大きさも全く気にならないレベルで、好感が持てる仕上がり。屋根上は艶消しの白とされ、車体との質感の違いを再現。ちなみにこの屋根部分、塗装の便や先頭部での連続性を考慮してか別パーツのはめ込みとなっているが、車体との隙間や位置関係の乱れは全く見られない。

■小田急電鉄限定で発売されたオリジナル版…

▲小田急電鉄発売分のパッケージ。通常のスリーブ状の外箱が、文字通りボックス状になる。また、諸元表とカラーカタログが付属した。

 当製品にはTOMIXブランドでの一般流通品の他に、小田急電鉄自ら発売する2000本限定のオリジナル版も存在する。TOMIX版とはパッケージデザインが異なっており、実車のカタログと諸元表が付属する他、製品自体は車番が異なる(第2編成)のがファン心理をくすぐるところ。一方のTOMIX販売分は車番が第1編成となっている他、初回限定で特製マウスパッドが付属している。

■出来心で、少々加工…


▲運転室窓部分に市販のパーツでワイパーを追加。ちなみにここにワイパーを取り付けると運転席部分の分解は構造上不可能となる。インレタ表現等、もう少し別の方法も考えてみるのも手だ。

 今回のVSEは非常に完成度が高く、美しいその仕上がりは手を加えるのが少々はばかられる。小田急限定版を買った方なら尚更だろう。だが、ふと運転室窓のワイパーが省略されていることに気が付いた。もちろん付け忘れなどではなく、得失を考慮した上のメーカーなりの判断で省略されているわけだが、意を決してワイパーを取り付けてみた。使用パーツはタヴァサのPT-1417「ロングワイパー」で、3種類収録されているうちの一番長いもの(アーム長4.5mm)、向きは「R」(右向き)で取り付けた。

▲ディテールフルな03・08号車の屋根上はスミ入れを行ないメリハリを付け、小パーツについても避雷器とヒューズ箱を塗装してプラ感を消した(手前)。

 また、床下カバー部分やドア廻り、屋根上クーラーのメッシュ部分にスミ入れしてみた。タミヤのエナメルXF-24ダークグレーを薄めて凹部に流し込むオーソドックスな手法だが、車体のディテールが浮き上がってメリハリの付いた感じになり、嬉しくなってくる瞬間でもある。


▲展望室には人形を配置。今回の製品は床面が低いので、椅子パーツと干渉する膝下をカットするだけで比較的簡単に載せることができた。

 展望席には人形を乗せてみた。ただし、シート幅が狭いのか、人形の体格がいいのか、男性の2人掛けはかなりキツいようなので断念した。一部はKATOの「公園の人々1」のセットから座っているポーズのものを流用している。なお、ワイパーを取り付けてしまったがばっかりに前述の理由で運転士を乗せることはできなかった…。

●2005年12月発売当時の価格
【TOMIX発売分/小田急電鉄発売分】
10車体セット:各 20,790円(税込)

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