185系

特集・コラム

ジオラマがグッと引き締まる立役者!鉄道模型のバラストの撒き方をマスターする

2021.10.28

text & photo:根本貫史

■リアルな線路演出の立役者!マスターすればジオラマも一層リアルに!

  線路周辺をリアルに演出するにはバラストの存在は欠かせません。近年は道床付きのシステム線路 が主流となり、最低限のバラストはモールドで表現されていますが、道床のないフレキシブル線路はもちろん、道床付き線路であってもバラストを散布することで、よりリアルな線路演出ができます。 バラストはジオラマ素材の中でも鉄道に最も身近な情景素材である反面、散布や固着方法を誤ると走行や通電、ポイント機構に多大な影響を及ぼすので、正しく丁寧な施工を心掛けましょう。

■バラストの実例を見る!

 バラストは軌道(レール・枕木)の移動を防止するのと同時に、軌道にかかる車両の荷重や振動のエネルギーを分散させる役割があります。バラストには支持力のある鋭い砕石が用いられ、道床の厚さは(地表からの高さ)は、路線が高規格なほど重厚に盛られています。 鉄道模型では機能的な効果はなく、あくまで演出となりますが、バラストの盛り方や配色の仕方で、路線の規模や規格から経営状況(保守が行き届いているか)までを表現することができます。

■道床付き線路でのバラスト散布効果を見る!

▲KATOの複線線路によるバラスト散布の効果比較。写真左側から未施工、線路両脇のみ散布、線路間にも散布、の順番。散布したことで道床幅が拡がり主要幹線レベルの重厚な軌道になる。なお、安定走行を維持するため枕木の隙間には散布していない。

 現在主流の道床付きシステム線路は、フロアーレイアウトにおいても実感的な軌道が再現できるよう、必要最小限の範囲に限りバラストが表現されています。特にNゲージでは近年、複線運転に対応した線路の登場で道床範囲が拡幅されたことから、バラストを撒かなくても十分雰囲気が楽しめるようになりました。とはいえバラストを散布する効果は今もって歴然で、両脇または線路間に散布・固着させることで、元が道床付き線路とは思えないほど実感的な線路演出ができます。

■バラスト選びは「スケールに合わせる」べし!

 バラストを散布する場合、使用する線路と同メーカーの製品を選ぶのが通例ですが、あくまで演出素材なので、メーカーにこだわらずに表現したいシーンに合った色味や粒子のサイズでバラストを選んでも問題ありません。その際ちょっとこだわりたいのが、スケールに合ったバラストの粒子サイズ。実はバラストのサイズ選択次第で作品の見栄えが大きく変わります。ここでは現在流通している主要製品をそれぞれ比較してみました。

■バラストの撒き方と固着方法をマスターしょう!

 さて、これらのことを踏まえて実際に道床付き線路にバラストを巻いてみましょう。下記ギャラリー画像にて実際に上手に散布できるやり方をご紹介しましたので、まずはこれらに記されている撒き方で散布にトライしてみましょう!ですが、線路は車両と電気が通る大事な場所でもあります。くれぐれも通電や車両の通行の妨げにならないよう盛りすぎには注意しましょう。

 複線の道床付きレールにただバラストをリアルに盛り付けて固定するだけでも十分に「情景」となり得ます。まずは練習の意味も込めて、線路を土台に固定して、バラストを撒いてみるところから始めるのもいいかもしれませんね!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加