特集・コラム

10月の鉄道のデキゴト「東海道新幹線、営業開始(1964年)」

2021.10.01

text:RM

この開業なかりせば、現代の鉄道の繁栄も…

 「○月の鉄道のデキゴト」は、当月にあった過去の鉄道の「デキゴト」(路線の開通や車両の新製・廃車、そのほかの事件など)を振り返るコーナーです! ティーブレイクにでも気軽にお楽しみください。

▲長年東海道・山陽新幹線での唯一の系列として大量に製造された0系。写真は100系登場直後に撮影。
‘86.10.17 東京第一運転所 P:RM

 今回より「10月の鉄道のデキゴト」となります。10月はダイヤ改正が行われることも多く、節目となるデキゴトも多くありました。その中でも鉄道史として重要なベスト5に入るであろうデキゴトが、57年前となる1964年10月1日の東海道新幹線開業です。

 とはいえ、この出来事に関しては一般メディアも含め極めて多くの記事や番組にて紹介されており、改めてこのミニコラムで紹介するのも野暮というものでしょう。箇条書きで最低限のポイントをご説明すると…
○新幹線プロジェクトの起源は、戦前の弾丸列車計画に遡る。新丹那トンネルなどはその時に建設着手されていたものが活用された。
○世界銀行からの融資を受け、着工からわずか5年で開業。
○軌間1,435mm、交流25000V、ATC採用など、在来線とは一線を画する独立系システム。
○開通区間は東京~新大阪。現在と比べると、品川、三島、新富士、掛川、三河安城の各駅がまだ存在しなかった。
○車両は0系12両編成で最高速度は200km/h(翌年に210km/hに向上)。列車種別は速達タイプの「ひかり」と各駅停車タイプの「こだま」の2種。

 本コラムでは、JR 3社のミュージアムが収蔵していて、いつでも会いに行ける0系保存車をご紹介しましょう。

鉄道博物館(さいたま市・JR東日本)
 ここには先頭車丸ごと1両と、先頭部のみのカットボディが1両、それぞれ収蔵されています。博物館収蔵品としての歴史が長いのはカットボディの21-25の方で、これは東京・神田の交通博物館の入り口脇(屋外)で同館のシンボル的存在だったもの。今は車両ステーション内の新幹線コーナーで200系の横に並んで展示されています。

▲21-25。’08.6.13 埼玉県さいたま市 鉄道博物館 P:羽山 健

 丸ごと1両の方は21-2という若番車で、かつてJR西日本の社員研修センターで当初は教材とすることを目的に保管されていた車両。同社からの譲渡を受け、開館から2年後となる2009年10月21日より、車両ステーションの奥まった場所で公開開始されました。当然ながらJR東日本には0系新幹線が在籍した実績は無いのですが、それだけ重要な位置づけの車両である証左となりましょう。

▲21-2。’14.4.14 埼玉県さいたま市 鉄道博物館 P:羽山 健

リニア・鉄道館(名古屋市・JR東海)
 4両の0系が保存されており、4両ともJR時代まで現役を務め、当館収蔵までは浜松工場で保存されていました。メインフロアにはうち2両、先頭車21-86と食堂車36-84(本車のみJR西日本から譲渡された)が連結された状態で展示されています。あとの2両、普通ビュフェ合造車37-2523とグリーン車16-2034は収蔵スペースに展示。イベント時に車内公開されることがあります。

▲300系(現在は展示終了)、300系量産試作車、100系と並ぶ21-86+36-84。奥の角に他の2両の妻面が見えている。
‘11.2.4 愛知県名古屋市 リニア・鉄道館 P:RM

京都鉄道博物館(京都市・JR西日本)
 プロムナードに圧巻の4両編成状態で展示されているのは21-1(先頭車)+16-1(グリーン車)+35-1(普通ビュフェ合造車)+22-1(先頭車)。いずれもトップナンバーであり、特に21、22、16形は先行製造車として6両編成で試運転を行なった当時の「C編成」のうちの3両という由緒正しさ。廃車後、大阪にあった交通科学館→交通科学博物館で長年展示され、その重要度の高さから京都鉄道博物館へそのまま移管されました。

▲C62 26、80系と並ぶ21-1以下4連の0系。
‘16.6.24 京都府京都市 京都鉄道博物館 P:羽山 健

 0系の保存車はその他にも各地に点在しており、極めつけは鉄道発祥の地であるイギリスはヨークの国立鉄道博物館にまで収蔵されています。この車両が鉄道史において果たした世界レベルの意義の大きさを物語っていると言えましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加