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自転車乗って是政へ…!「西武多摩川線サイクルトレイン」実証実験、7月1日スタート!

2021.06.29

text & photo:RM
取材日:’21.6.29 場所:西武鉄道多摩川線 武蔵境
取材協力:西武鉄道

 西武鉄道では、「いつもの『電車』にそのまま『自転車』」というキャッチフレーズの下、「西武多摩川線サイクルトレイン」の実証実験を7月1日から3ヶ月間行う。本日は開始に先立ってメディア向けデモンストレーションが行われた。

▲西武鉄道多摩川線の始発駅である武蔵境駅の高架ホームにて行われたデモンストレーション。

 まずはおさらいだが、そもそも自転車を列車に載せることについて、どのようなルールになっているのだろうか。代表としてJR各社での共通ルールでは、「分解または折り畳んだうえで、専用の袋に収納した状態」であれば、無料の手回り品として車内持ち込みが可能だ。逆に、たとえ有料であっても非分解状態の自転車は通常は車内への持ち込みが許されていない。しかし一部の地方私鉄では既に車内への通常の自転車持ち込みを許可しているところがある。西武鉄道のグループ会社である近江鉄道や伊豆箱根鉄道でも既に定着しており、利用された方もいらっしゃることだろう。

▲自転車での乗車が可能な1号車の側面窓に、「サイクルトレイン」の表示ステッカーが貼られている。

 今回の西武鉄道の試みは、大手私鉄による東京都内を走る路線で、しかも通常の定期列車での実施という点が興味深いところだ。確かに多摩川線は同社の他の路線と接続しておらず、線内で完結するという点では実証実験にも適しているのだろう。それでは、実際に自転車と一緒に列車に乗る手順を見ていこう。

▲自転車のサイズが規定に収まっているかを、改札前に設置された赤枠で確認できる。

▲自動改札機は、通路幅の広いところから入出場するようになる。

 まず気にしなければならないのは自転車のサイズだ。全長1,800mm、全幅450mm以下と定められており、改札前の床面に、そのサイズを赤いテープで示した一種の「車検テンプレート」がある。規定のサイズであることを確認したら、自転車を押しながら自動改札の幅広い通路部分から入場。自転車持ち込みに対しては別途の料金は発生しない。

▲床面に青いステッカーで自転車の順路が表示されている。

▲ホームまではエレベーターを利用して上がる。線内の駅では構内踏切によって上下動なく移動可能なところもある。

 ホームまでの動線は駅によってスロープやエレベーターがあるが、特にエレベーターの場合、前述の規程サイズを超えていると乗れない可能性がある。いずれにしろ階段やエスカレーターで無理やり自転車を持ち上げるようなことは危険なため禁止されている。

▲ホームと電車との間に少し段差があるので、乗り込むときは注意。

▲車内に入ったら、ロングシート端部のオレンジ色の固定ベルトが目印だ。

▲固定ベルトは8席分設置されている。万一それ以上の方が同時に利用するシチュエーションになった場合、最後の方は次の電車を待つことになる。

▲ベルトを自転車のなるべく安定する部分に巻き付けて固定する。

 多摩川線の電車はすべて4両編成で、自転車が乗り込めるのは武蔵境寄りの1号車と決められている。比較的空いている号車であることから選ばれたそうだ。車内に自転車と共に乗り込んだら、長いロングシートの端部8ヶ所がサイクルトレイン利用者のためのシートとなっている。シート前に自転車をスタンドで立たせ、手すりに装着されているマジックテープ式のベルトで自転車を固定。乗客はシートに腰掛け、自転車に手を添えておくことが推奨されている。降車時はこれの逆手順だ。

▲平日は日常の買い物に。休日は多摩川べりへのサイクリングに…などが一般的な用途になるだろう。西武鉄道としてはぜひ想像を越える活用をしていただきたいとのこと。

 今回の実証実験は多摩川線全線で行われるが、全6駅のうち多磨駅だけは乗降できないことになっている。近年新しい橋上駅舎化された際、東西自由通路を府中市と協力して設置した関係で、西武鉄道の都合だけでは利用規定を変更できない…という事情があるとのこと。エレベーター等の施設は完備されているので、ゆくゆくは協議の上で利用可能になるかもしれないが、それもこの実証実験でのアンケート結果などによって決まるだろう。

▲線内で唯一他線との乗り換えが可能な武蔵境駅では、JRとの連絡改札口に誤って自転車が入らないように床面掲示がなされている。

 また、利用時間帯は当然ながらラッシュ時間帯を避けた日中のみで、対象列車は下記の通り。
●平日上り:是政10:09~15:45発 武蔵境行き
●平日下り:武蔵境10:06~15:42発 是政行き
●土休日上り:是政8:09~17:45発 武蔵境行き
●土休日下り:武蔵境8:06~17:42発 是政行き

 この取り組みによって、例えば駅からちょっと離れたお店への買い物に、これまでのクルマ利用ではなくて電車+自転車という、よりCO2排出量の少ない方法が選択可能になるだろう。西武鉄道では、この「サイクルトレイン」をはじめとする施策によってSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいくことを表明している。

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