text & photo:RM
アマチュアの立場で実に70年以上にわたって鉄道撮影を精力的につづけてこられた宮澤孝一さん。鉄道友の会をはじめとする団体での活動や各種刊行物での記事執筆によって後進の指導という面でも大変多大な功績を残してこられました。日本における鉄道趣味の生き字引的存在でもあり、今年で齢90になるにも関わらず今も毎日のように線路端へ繰り出しておられるとか。
▲他のジャンルの受賞者と共に記念撮影。左から3人目が宮澤孝一さん。(撮影時のみマスクを外した状況)
▲受賞理由を説明するスライド画面。
そんな宮澤さんに、日本写真協会から2020年の「日本写真協会賞 功労賞」が贈られました。選定理由は「70年を超える鉄道写真のオーソリティー。特に、「路面電車」において、その時代の町のたたずまいと、そこに暮らす人びとの姿を記録し続けた功績に対して」とあります。特に2019年にJCIIフォトサロンで開催された個展「にっぽんの路面電車―昭和20~50年代―」が評価されたとのこと。日本写真協会はもちろん鉄道写真だけではなく写真というジャンル全般を対象としており、その中で鉄道写真のアマチュアでの第一人者が選ばれたことは、この趣味界にとって誇らしいことではないかと思います。ちなみに2016年にはプロの鉄道写真家という立場から広田尚敬さんも同じく功労賞を受賞されております。
▲日本写真協会の宗雪代表理事会長(写真右)から表彰される宮澤さん。
▲受賞記念スピーチを行う宮澤さん。
6月1日、港区の笹川記念会館にて表彰式が開催されました。受賞記念のスピーチでは「趣味として鉄道の写真を撮り続けてきました、ただ鉄道が好きという一心でしたので、このような賞までいただき、望外の人生であったと感じます。趣味活動を行う上で家族に十分にかまえなかったりしたこともあったかもしれません、借金を返せたとは思いませんが、どうかこれでチャラにしてほしいとは思います。これからの趣味活動はいわばノッチオフの状態で、モーターはオフだけど前には進むという姿勢で取り組みたいと思っています」と語っておられました。
さてその宮澤さんに関係する写真展が2つ開催中です。
■日本写真協会賞受賞作品展2020
●開催日時
2021年6月1日(火)~6月3日(木)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
●会場
富士フイルムフォトサロン東京
東京都港区赤坂9-7-3 フジフイルムスクエア内
都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅または東京メトロ千代田線乃木坂駅が最寄り
●入場無料
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■JCIIフォトサロン鉄道写真モノクロ傑作選
●開催日時
2021年6月1日(火)~6月27日(日)
10:00~17:00
月曜休館
▲今回の展示作品は路面電車だけではなく鉄道全ジャンルにわたる。全作品モノクロで、デジタルプリントではなく、その質感にも注目いただきたい。
▲著書や、貴重な終戦直後の鉄道趣味誌などのコレクション展示。
▲愛機や切符のコレクションなども展示されている。
▲宮澤さんの鉄道撮影歴でも極めて初期の作品。浦和駅での「ジュラ電」を撮影したもの。
●会場
JCIIフォトサロン
東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル1階
東京メトロ半蔵門線半蔵門駅が最寄り
●入場無料
🔶YouTubeフォトグラファーTV「宮澤孝一さんが『鉄道模型趣味』編集長・名取紀之さんと作品展「鉄道写真モノクロ傑作選」を語る。 写真展紹介&ギャラリートーク」
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