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特集・コラム

「見覚えのある情景」をNゲージで再現!迫力の中央本線ジオラマ

2021.03.27

製作:日本大学豊山中学校・高等学校鉄道部

 毎年夏に行われる鉄道模型の祭典「JAM国際鉄道模型コンベンション」。その中でも華を添えるのが、一般モデラー参加作品である「モデラーズ・パフォーマンス(MP)」です。
 ここではそんなMP出展作品の中から、日本大学豊山中学校・高等学校鉄道部による情景作例を取り上げ、同校が例年のテーマに据える中央本線各所の景勝地・名所の風景をモチーフに、ダイナミックかつ緻密に作り上げられた「沿線の様子」を見ていきましょう。

■こだわりの中央本線

 日本大学豊山中学校・高等学校鉄道部は、JAMコンベンションにおいて毎年、中央本線をテーマに大型のモジュールレイアウトを出品してきた。例えば2015年は四方津鉄橋、2016年は御茶ノ水付近、2017年には新桂川橋梁…年々より緻密に、大掛かりな造形に挑戦し続けている。

 今や長距離旅客は新幹線が担う時代。在来線の多くは運行区間が細分化されているほか、定期の旅客列車は普通及び快速しかない路線が一般的であるが、並行する新幹線のない中央本線は中~長距離の在来線特急が頻繁に走り、都心と近郊、そして山間部と沿線の雰囲気も多彩。乗客の様子にもエリアごとの変化が顕著に表れる、他ではあまり見られない特徴を有した路線と言えるだろう。そんなロマンを日大豊山の生徒たちも感じ取り、同路線をテーマにし続けているのかもしれない。

■中央本線の「クライマックス」御茶ノ水周辺を緻密に再現!

 中央本線における都心側のクライマックスといえば御茶ノ水近辺だろう。本郷台地と言われる丘陵地帯を中央本線は切り裂くように通り抜ける。神田駅から下り列車に乗ると、高架→谷間→高架と目まぐるしく線路と地面の位置関係が変わる。今ほど市街地化する前は緑豊かな渓谷だっただろうこの区間は、現在でもビルの谷間の喧騒に包まれた空間とは違った趣を持ちつつも、駅の東側には鉄道の要衝のごとく上下へと立体的に線路が交差する場所でもある。中央本線の風景全体を通しても外せないシーンであろう。

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