特集・コラム

窓が開かない?「特別な」サロ185形

2021.02.05

text & photo:芦原やちよ

 185系の特徴のひとつに、特急型では珍しく窓が開閉可能であるという点が挙げられます。これは普通列車から特急列車まで、オールマイティな運用が想定された185系ならではの装備と言えるでしょう。もちろんグリーン車も例外ではなく、通常車両であれば窓が開閉可能です。
 ですが一部、グリーン車で窓が開かない箇所が存在する車両がいるのです。今回はそんな装備を持つ車両のひとつ、サロ185-208の写真を中心にその特徴を見ていこうと思います。

■すぐに見ただけではわからない特別な装備

▲こちらは通常車両のサロ185-13。

東海道本線 東京

▲こちらが今回紹介する車両、サロ185-208。写真手前、4枚目の窓からが「重装備」となっている窓だ。

東海道本線 東京

 一見、何の変哲もないサロ185形に見えますが、こちらの写真の車両こそが今回クローズアップするサロ185-208です。この車両は、両面中心部5組の窓ガラスが複層ガラスを用いた固定式に改造されており、この特徴を持った車両はこのサロ185-208の他にサロ185-11が現存しています。またサロ185-203にも同様の特徴がありましたが、こちらについては2014年に廃車となっています。
 外観上の違いとして、窓のサッシの太さに差があります。ですが、気にしなければ見過ごしてしまいそうです。これらの車両だけがなぜ重装備とも思える窓構造をしているのでしょうか?

■その車両はお召列車の予備編成だった…?

▲窓部分へ寄ってみる。写真一番左の窓と左から2番目の窓からとでサッシの太さに違いがある。サッシが細い方が固定化された窓だ。

東海道本線 東京

▲通常車両であるサロ185-14の窓。上方向に開閉できるようつまみが存在する。

▲こちらは固定化されているサロ185-11の窓。つまみが存在しないのと、原形の窓と比べてサッシが細いのがわかる。

 この複層ガラス・固定窓構造の理由ですが、最も有力な説はこの車両をお召列車の貴賓車両として使うため、というものです。
 実際、この装備を持つサロ185-208は、過去にお召列車の予備編成として度々起用されています。また、既に廃車となっていますがサロ185-203に至っては実際にお召列車としての使用実績があります。
 現在はたった2両しかいない装備を持った特徴的なグリーン車。もし、185系で窓の開かない席に当たってしまったら、「お召列車の車両かも…」と思いを馳せるのもいいかもしれませんね。

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