185系

特集・コラム

185系と共に楽しみたいモデル!TOMIX 251系「スーパービュー踊り子」

2021.01.01

製作・写真:根本貫史

 1990(平成2)年のデビュー以来、長らく185系と「踊り子」の双璧をなしてきた251系。2020(令和2)年3月を以って「スーパービュー踊り子」の名称と共に185系より一足早く営業運転を終えた同車だが、模型の世界でこの両雄を永遠に楽しみたいというモデラーも多いだろう。今回は185系と共に楽しめる模型ということでTOMIX製の251系2次車・新塗装の加工作例を紹介しようと思う。

■民営化&バブル好景気に登場

 国鉄分割民営化が施行された1987(昭和62)年、世はいわゆる「バブル景気」真っ只中で、JR各社においてもその波に乗る形で新形式車両を続々と開発し、旅客サービスの向上に力を注いだ。とりわけJR東日本では、651系「スーパーひたち」を皮切りに、251系「スーパービュー踊り子」、253系「成田エクスプレス」と、民営化直後から立て続けに先進的な新型優等列車を登場させ、当時流行の「トレンディドラマ」にあやかり「トレンディトレイン」との愛称で呼ばれるほどの人気を博した。
 車両の外観こそ21世紀を先取りしたようなデザインだが、足廻りは国鉄末期に登場した205系を基本とした「国鉄臭さ」が随所にみられるのも、この時期に登場した新形式の特徴であり魅力といえよう。
 バブル景気に登場した「トレンディトレイン」世代の車両も、登場から20年が過ぎた頃から世代交代が始まり、251系については先輩格の185系よりも一足早い2020年3月13日をもって引退。早々に解体され、現存しない過去の車両となってしまった。

 

■実車引退に合わせて製品化

 NゲージではKATOより実車デビュー直後に製品化され、そして今回は実車引退に合わせるようにTOMIXから製品化されるという、両社共にメモリアル的な意味合いの深い製品だ。その差およそ30年と、車歴並みの開発差があるのだが、最新技術によるHG仕様で高い完成度に仕上がっているTOMIX製品に対し、KATO製品もさほど見劣りしないということに驚いた。KATOにしても、当時最新のCAD・CAM技術をいち早く導入して開発されただけあって、その高い完成度は今をもって通用する。奇しくもKATOは1次車、TOMIXは2次車となるので、両製品ともに楽しむことができよう

■「塗装の延長」で質感表現

 前述の通り製品は非常に高い完成度で仕上がっており、ディテールの添削といった加工をする余地は見当たらない。そこで今回は塗装による質感表現や室内演出を中心に手を加えてみた。質感表現はいわゆる「ウェザリング」となるが、今回は「汚れ」が本当に汚くならないよう、「塗装の延長」で仕上げる技法を用いてみた。

■全車に「乗客」を乗せてみよう!

 251系の特徴である大型の連続窓は、車内の様子がよく見えるので、本作では座席の着色に加え、全車にフィギュア(人形)を配置して、レジャー特急列車らしい旅情を表現してみた。使用したフィギュアは「ミニチュア人形のYFS」の製品で、着色済みながら、低価格かつ大量にパッケージされている。今回のように全車に搭載したい場合には大変便利で、経済的に扱えるのが魅力だ。
 フィギュアは情景に限らず、車内の乗客を表現することで「旅情」を演出する非常に効果的なアイテムとなりうる。特に251系のような窓が大きいレジャー特急などに搭載すると良いアクセントとなりうるので是非試していただきたい。

 以下、ギャラリー画像にて詳しい加工個所を解説しているのでそちらも参考にしていただきたい。

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