取材日:’20.11.27
text & photo:RM(廣瀬 匠)
取材協力:東日本旅客鉄道千葉支社
JR東日本千葉支社では、駅ナカシェアオフィス「STATION WORK」の拡大の一環として、両国駅臨時ホームと「N’EX」の愛称で親しまれている「成田エクスプレス」(E259系特急型車両)を活用した臨時シェアオフィスを11月27日、28日限定で実施した。今回はその様子をN’EXの車内からお届けしよう。
▲両国駅3番線への入線は初となるE259系
■歴史ある両国駅
両国駅は総武鉄道(総武本線の前身)のターミナル駅として明治時代に開業し、長い間房総方面のターミナルとして機能していた。今回、「N’EX でテレワーク!」が実施される3番線というのは両国駅がターミナルであったころの名残で、かつては新聞輸送の発着などにも使用されたが、現在は定期列車の発着はなく観光列車「B.B.BASE」やイベント列車の発着に使われている。
また、実施場所の選定理由としては、千葉支社管内で都心からのアクセスも良く、3番線の利用頻度などを考慮してとのこと。
▲1929年に建てられた両国駅駅舎
■「成田エクスプレス」でテレワーク?
今回、両国駅3番線でのテレワーク企画として充当されたのはE259系Ne009編成6両。車両の選定にあたっては209系「B.B.BASE」なども検討されたが、Wi-Fiやコンセント、テーブルなどシェアオフィスに必要な設備が備わっており、なおかつ特急用車両のため居住性も高いという点から本形式が採用された。
▲千葉方先頭車(6号車)はグリーン車となっている。
■実施までの経緯
今回のサービスはJR東日本千葉支社管内では度々提案がなされており、この日千葉支社管内6駅でシェアオフィスが開設されるのに合わせて実施に踏み切ったもの。
なお、本格実施は未定となっており、今後も引き続き自宅や職場以外の新しい働く場所の模索をしていきたいと、本サービスの担当者である池下氏は語った。
■気になる使い心地は…?
やはり、物珍しさからか2日間で250名の予約が入っている。「密」状態を不安に感じるかもしれないが、今回のサービスは全席自由席となっている上に、入れ替わりも早いため車内は間隔を空けて利用できている様子だった。
また、6号車のグリーン車も、今回は普通車と同じ料金(15分100円)で利用することが可能となっている(前述の通り自由席のため、先着順)。やはりほかの車両よりも利用者は多いように感じられた。なお、料金はクレジットカード決済となっており、利用時間を延長することも容易に可能だ。
もちろん、車内は換気設備による十分に換気と空調が行われ、快適な車内空間の中で仕事が出来る。また、特急用車両の座席ということもあり作業もしやすく、Wi-Fi環境も備わっていることからパソコン一つあれば十分仕事ができる環境といえるだろう。
本サービスは28日まで実施中となっている。今後も実施されることを期待したい。