185系

特集・コラム

引退近い185系をNスケールで愉しむ! TOMIX185系軽加工作例

2020.11.27

 登場以来、踊り子を中心に運用されてきた185系特急型電車。その長年に亘る定期運用が2021年3月をもって終了する。今回は2019年にフルリニューアルの上登場し話題になったTOMIXの185系の軽加工作例を紹介しようと思う。

■モデルについて

 1981(昭和56)年に登場した185系特急型電車は、老朽化が進んだ田町電車区の153系を置き換える目的で製造された車両である。その模型映えする緑の斜めストライプのカラーリングもあってか、実車登場直後から複数のメーカーから製品化された。その後、大きなリニューアルもなく同等の年数が経過しており、現行水準でのモデルが長い間渇望されていたが、ついに2019(平成31/令和元)年、TOMIXからHG仕様のフルリニューアル版が満を持してリリースされたのは記憶に新しい。
 製品は斜めストライプ塗装に強化スカートを装備する現行仕様を再現しており、0番代と200番代を同時発売した。旧製品と比べると車体のモールドや窓の嵌め合い精度が格段に向上し、東京方・下田方先頭車で異なるジャンパー栓廻りも正確に再現。屋根上機器を中心に別パーツ化され、立体的でシャープな造形となった。

■加工点

●屋根上
 クーラーや換気装置などは一旦取り外し、パーツの種類ごとに塗装を行っている。模型として見たときの「立体感」と「メリハリ」を強調するため、実車に比べ明るめの色調で塗装を行った。作例では0番代やサロ185のクーラーとパンタグラフ、運転台上の小パーツ類はねずみ色1号、換気装置は灰色9号を使用。パンタグラフはプライマー処理後に塗装を行い、碍子部にツヤ消し白を色差し。クーラーと換気装置のルーバー・メッシュ部分には、タミヤのスミ入れ塗料(ブラック)を使用してモールドの陰影を強調している。

●床下
 台車・床下機器共にツヤ消し黒で塗装を行い、質感を整えている。軟質プラ製の台車へは、剥離防止のプライマー塗布後に塗装を行っている。
 ジャンパー栓パーツはGMアイボリーAで塗装。ケーブル部分はねずみ色1号とツヤ消し黒で塗り分けている。

●ウェザリング
 下廻りのウェザリング準備として、モーターカバーの「影」になる部分をマスキングテープで養生。台車・床下機器はウッドブラウンをエアブラシで吹き付け、鉄粉による汚れを表現。屋根上は薄く溶いたツヤ消し黒とウッドブラウンを全体に吹き付けて質感を整えた。その後、パンタグラフ廻りを同色で強めにウェザリング。この際にパンタからの汚れが飛散する隣接車も強めにウェザリングすることがポイントである。

●方向幕
 TOMIX製品の通例で側面方向幕のシール等は付属せず、この部分が素通しでは寂しいので、サードパーティーの方向幕シールを貼ってみた。今回はジオマトリックス様から提供していただいた試作品を使用した。従来のシールが白色ベースであったのに対し、ガラス越しの立体感を表現した風合いが特徴だ。「修善寺」といった細かな文字もしっかりと再現されており、自然な仕上がりとなっている。
 以下ギャラリー画像にて各車の解説を行ったのでそちらも是非参考にしていただきたい。

この記事は「RM MODELS 2020年1月号(Vol.293)」の一部を抜粋しています。

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