特集・コラム

東京の交通をオリンピックが変えた!~特別展レポートVol.1~

2020.09.11

text&photo:RM

取材日:’20.9.11

■港区立郷土歴史館で特別展「1964年 東京オリンピックと都市の交通」開催中
 現在、「港区立郷土歴史館」(東京メトロ・都営地下鉄白金台最寄り)で特別展「1964年 東京オリンピックと都市の交通」を9月22日まで開催中。
 1964年に開催された第18回夏季オリンピック「東京オリンピック」は、日本のスポーツ界に大きな影響を与えただけでなく、日本の交通にも大きな変化をもたらした。その中でもとりわけ東京の都市交通にとっては現在の交通網のベースを構成する契機となった。その当時の貴重な資料が数多く展示されており、レイル・ファン必見だ。

■東京オリンピック直前に開業!東海道新幹線
 東京オリンピックと交通と言われれば真っ先に東海道新幹線を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
 戦前の弾丸列車計画をもとに、戦後に東海道本線の輸送力増強対策として建設するに際して国際復興開発銀行(世界銀行)から借款を受ける条件として「オリンピックまでに建設すること」とされたため、オリンピックに間に合わせる形で開業した。

 本展示では、東海道新幹線開業前の貴重なリーフレットのほか、戦前の弾丸列車計画のさなかに建設開始した新丹那トンネルの様子を伝えた貴重な資料を展示している。

▲新丹那トンネルの建設開始を伝える雑誌記事。

 

■都電から地下鉄へ!地下鉄路線建設

 現在でこそ、東京の地下には網の目のように地下鉄が張り巡らされているが、東京オリンピック以前は営団地下鉄(現・東京メトロ)の銀座線、丸ノ内線の二路線のみで、都内の移動のメインは都電が大きく占めていた。しかし、自動車の交通量の大幅な増加や都市インフラの整備という観点から、都営地下鉄構想が持ち上がった。
 その第1弾となったのが1号線(現在の浅草線)だ。その工事は京成電鉄との接続駅である押上からスタートした。その中でも難工事となったのは隅田川を越える地点。現在であれば川底をくぐる形をとると思われるが、なんと当時は川の底にトンネルを沈めてその中を通す工法がとられた。その当時の様子を伝えている資料も展示されている。

▲ケーソン工法と呼ばれる川底にトンネルを沈める工法。

▲1号線開業の1年後となる1961年に東京都交通局が局創立50周年を記念して製作したパンフレット。手の込んだものとなっており、車両の前面のイラストをめくると車内が見えるようになっているなど遊び心がみられる。

 

 このほかにも、都営浅草線のコーナーでは普段見ることができない東京都交通局所蔵の資料も多数展示されており、盛りだくさんの展示となっている。

※取材のため、特別に撮影しています。展示室内は撮影禁止です。

◎続きはこちら!「東京の交通の礎を作ったオリンピック~特別展レポートVol.2~」

レイル・マガジン441号 特集「国際イベントと鉄道」もチェック!

 

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