Text&photo:ふくしま・さぎす
取材日:‘20.8.23
上田電鉄といえば、まるまどりーむ号などで知られているが、実は駅舎もとても魅力的なものとなっている。映画などのロケ地としても知られている駅舎から隠れた名駅舎まで一挙に紹介していく。
■ホームが駅舎?「下之郷(しものごう)駅」
下之郷駅は上田電鉄で数少ない有人駅の一つで車庫が設けられている。そのため当駅始発、終着の列車も設定されている。この駅の特徴としてはホーム上に駅舎があること。また、その斜め向かい側には旧西丸子線のホームも残されている。
■ドールハウスのような「中塩田(なかしおだ)駅」
クリーム色の壁面にミントグリーンの柱。パステルカラーで構成された外観はまるでおとぎ話に出てきそうな外観だ。駅舎は現在の上田電鉄の前身の上田丸子電鉄時代からあるもので駅舎の入り口には上田丸子電鉄の社紋が掲げられている。
■いきものがかり、AKB…数々のMVで登場した「八木沢(やぎさわ)駅」
田んぼの中にポツンとたたずむミントグリーンの駅舎と1面1線のホーム。青春系のドラマに出てきそうな佇まいがこの駅の大きな魅力といえるだろう。この駅舎も上田丸子電鉄時代からのもので、木造のシンプルなつくりとなっている。
また、AKB48の「夕陽を見ているか」やいきものがかりの「ふたり」のMVで登場している。
■「信州の鎌倉」の玄関口「別所温泉(べっしょおんせん)駅」
信州の鎌倉と呼ばれる別所温泉駅の玄関口となる上田電鉄の終着駅「別所温泉駅」。中塩田駅と類似したデザインだが、中塩田駅よりは一回り大きくなっている。また、天井の照明や待合室の広さから終着駅としての威厳を感じることができる。
また、当駅は「男はつらいよ」などのロケでも使用されたことがある。
上田電鉄の駅舎の中には、かつて上田の街を縦横無尽に走っていた上田丸子電鉄時代からの駅舎が残っており、途中下車する楽しみを感じながら取材することができた。乗りつぶしとして往復乗車で終わらせてしまうにはもったいない、そんな路線だと感じた。