■JR各社ハイブリット式気動車とその展望
一方JR西日本では、豪華クルーズトレイン「Twilight Express 瑞風」用87系にシリーズハイブリッド方式を採用している。ディーゼルエンジンは JR東日本と同型のものを編成中4輌に2台ずつ搭載している。これによって発電し電気式気動車としての仕組みと、リチウムイオン充電池の電力供給によって走行する。なお、四季島がEDCとして開発された一方、87系は山陰方面を中心に長距離非電化区間を走行することから、ハイブリッド動車が採用された。
また、JR九州はYC1系ハイブリッド車両を完成させており、現在、各種試験が行われている。本形式は炭化ケイ素を用いた主変換装置を制御装置として採用し、消費電力量の削減を図るとともに減速時の回生エネルギーを蓄電池に充電することが可能となっている。基本的な構造はシリーズ式ハイブリッド方式と同等である。なお、JR九州は蓄電池電車も実用化しており、今後どのように非電化区間用車輌の更新を図っていくのか、今後の動向が気になるところである。
また、JR東海は、現在「ひだ」、「南紀」に使用されているキハ85系の後継車両としてハイブリッド車両、HC85系の導入を去年発表した。しかしながら、今まで山岳路線を走行する車両や特急型車両は、重量増や、本システムを活用する機会の少なさから特に特急車両は液体式が採用されてきた。その流れの中で、この車両の今後の動向が特急用車両の在り方に大きく影響するといえるだろう。
このようにハイブリッド車の開発が進められている一方、大容量蓄電池自体のコストや、リサイクルにも高いコストを要するため、現在は限定的な普及にとどまっていると考えられる。今後燃料電池車や蓄電池電車の実用化の動向によっては、このまま少数にとどまる可能性もあろう。(ディーゼルハイブリッド動車編 終)