← → 1954(昭和29)年、東京急行電鉄初の高性能車として誕生した5000系電車の台車である。溶接組み立ての台車枠の上に直接枕ばねを置き、揺れ枕を枕ばねの上側のみとした構造は、当時としては画期的なものであった。側梁中央部の左右から上に伸びるのが横梁で、M台車では主電動機をこの横梁で吊り、直角カルダン方式で駆動する。 5000系電車は1986(昭和61)年までに東急線からは引退したものの、長野電鉄、福島交通、岳南鉄道、熊本電気鉄道、松本電気鉄道、上田交通に譲渡されて引き続き活躍、TS-301もそのまま使用された。また、TS-301台車単体でも伊豆急行、西日本鉄道に譲渡されている。 写真は岳南鉄道モハ5002(もと東急デハ5028)のもの。軸距:2400㎜ 車輪径:860㎜軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:コイルばね写真:2005.10.1 岳南富士岡 高橋一嘉全国各地の地方私鉄で活躍した5000系譲渡車も、現在ではそのほとんどが姿を消し、現役で活躍するものは熊本電気鉄道に残るのみとなっている。写真は岳南鉄道のクハ5102+モハ5002で、これも京王3000系改造車に役目を譲り、2005年10月現在、岳南富士岡駅構内に留置されている。参考文献『復刻版 私鉄の車両4 東京急行電鉄』飯島 巖・宮田道一・井上広和(2002年 ネコ・パブリッシング)2005.10.12作成 2006.10.9更新これまでに紹介した東京急行電鉄関連の台車へのリンクこれまでに紹介した岳南鉄道関連の台車TS-301 TS-801