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特集・コラム

国宝に指定された明治生まれの水路、立ちはだかる高低差の意外な克服法とは⁈

2026.06.20NEW

text & photo:諸富光法

前回の記事はコチラ

 数回にわたってお送りしているコラム「びわ湖疎水」。2025年8月27日に国宝に指定された歴史的構造物です。

 前回の記事で、びわ湖疎水船の終点である蹴上乗下船場に到着しました。ここで下船し、いよいよこの先から‟鉄道”である「蹴上インクライン」の出番となります。…というのも、ここから南禅寺船溜まで約36mもの高低差があり、そのまま水路を通すとウォータースライダーのようになってしまいます。例え下れても登れなくなってしまい、それでは水路の役割を充分果たすことができません。そこで導入されたのがインクラインです。

▲蹴上乗下船場からインクラインを見る(左写真)。複線だが、蹴上側の水中ある滑車(右写真の奥に立てかけてあるのが滑車で、これが水中に水平に設置されていた)を介して各線のケーブルはつながっていた。片方を巻き上げると、もう片方はその分下る仕組み。現代のケーブルカーとの違いは、巻き上げ装置が標高の低い側にある点だ。

今回の記事の写真はコチラ↓

 インクラインとは、ケーブルカーの要領で高低差を上り下りするスタイルの施設です。「蹴上インクライン」の場合、船が通る水路の一部であることから、船をそのまま車両に搭載することができるようになっています。軌道は複線で軌間2,540mm、延長582mの直線で、車両はトラスの荷台を備える独特のスタイル。台車は回転しない固定式で、車輪は左右間が車軸でつながっていない独立したものを外側から受ける構造となっています。ケーブルの動力は、蹴上発電所で発電した電力を使用した電動式。所要時間は約10~15分でした。

 

▲延長約582mの直線で、約36mの高低差を克服。軌間は2,540mmでかなり広い。桜の名所でシーズン中は満開の桜が出迎えてくれる。途中に車両が展示されており、間近で見ることができる。

 

 南禅寺船泊からは鴨川に向かって平地を通ります。そして鴨川合流点で鴨川に接続した後、そこから鴨川に沿って南下、最終地点の伏見まで伸びています。最終回の次回は鴨川合流点までを目指します。(次回へつづく)

▲蹴上インクラインの南禅寺船泊(左写真)。ここから鴨川に向かって進む。南禅寺の境内には疎水の水路閣(水道橋)が貫いているので、一緒に訪れるのもおススメ(右写真)。

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