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「はこビュン」荷物輸送専用E3系、積み込みシーンを初公開!

2026.02.09NEW

text & photo:RM
取材日:’26.2.6 場所:盛岡新幹線車両センター
取材協力:東日本旅客鉄道

 コロナ禍をひとつのきっかけとして新たに誕生し、JR東日本が展開しているサービスが、新幹線や在来線列車の座席の一部を使用して速達性のある荷物輸送を行う「はこビュン」です。高速かつ定時性が高く、生鮮食品や精密工業部品など付加価値の高い商品の輸送に好適として、事業を拡大してきました。

 そしてそのサービスをさらに拡大するため、新たに東北新幹線に「はこビュン」専用に1編成全車両を改造したE3系が投入され、来る3月23日より定期的な運行が開始されます。盛岡新幹線車両センターでの荷物積み込みシーンが公開されたので、ご覧に入れましょう。

▲全体に純白の面積が大きくなって面目を一新したE3系。編成番号は今のところL69で変わっていません。

 車両側の改造のメインは、すべての座席を撤去し、荷物をカゴ台車に載せたまま車内に搭載するために、床面をフラット化した上で鉄板を敷き、滑り止め加工をしたこと。また、車内に設置したベルトで荷崩れを防止するようになっています。

▲座席を撤去した車内に、カゴ台車に載せた荷物が整然と並び、ラッシングベルトで固定されています。

  今回の輸送方式の大きな特徴は、旅客駅ホームでの荷物扱いは行わず、起終点の新幹線車両センター(盛岡・東京)に専用設備を設けてそこで集約して行うということです。このために投入されたのがAGV(無人搬送車)で、カゴ台車を列車状にして専用ホームまで移動させます。1列車あたりの積載量はおよそ1,000箱、最大17.4トンとされていますから、4トントラック4~5台分の輸送が無人で行なえるメリットは大きいと言えるでしょう。なお、ホームから車内への移動は現状ではカゴ台車1台ずつ、人力によっています。

▲中央やや右寄りに見える台車状の車両がAGVで、カゴ台車をそれぞれ決められた号車の扉付近まで無人で移動させます。地面に引かれた白線が、自動運転の際の目印となっています。

 この荷物専用に改造されたE3系は元2000番代のL69編成で、形式名は元の形式名+50、車番は1(または101)と改番されていました。バラエティに富んでいたE3系に、まさか旅客営業が終了してからさらに新バリエーションが登場…というのもファン的には面白く感じるところです。

 荷物専用新幹線は、前述の通り3月23日(月)から平日の定期運行となり、通常旅客営業のE5系「やまびこ」と併結した17両編成として、盛岡新幹線車両センターから東京新幹線車両センターまで運行されます。時間帯は、正午前に盛岡車セを発車、16時頃に東京車セに到着となるダイヤが予定されています。

 今後は仙台エリアや新潟エリアの輸送も視野に入れているとのことで、その際にはひょっとしたら車両の増備として新造の可能性もあり得るのではないでしょうか。

 新幹線開業から60有余年、オールドファンにとっては、開業前にスケッチまで発表されていた貨物新幹線が形を変えて実現したようにも感じられるでしょう。全く新たな可能性に、期待したいと思います。

 

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