text & photo:鉄道ホビダス編集部
取材日:’25.11.5 場所:西大寺検車区・高安検車区
取材協力:近畿日本鉄道
近畿日本鉄道は大阪線・名古屋線向けの新型一般車両1A系を導入します。2026年1月から営業運転を開始する予定です。

■「進化の青」を纏う
1A系は2024年10月に営業運転を開始した奈良線・京都線用一般車両の8A系をベースとしており、八角形をモチーフとした前面デザインを持つアルミ合金車体や、車体の塗り分けラインは8A系と共通となっています。対して、カラーリングは伊勢・志摩方面に向かう路線に使用することを踏まえ、「進化の青」を採用。「伝統の赤」を採用した8A系と異なるカラーリングとなっています。
■坂に強い1A系
1A系は2M2Tの4両編成を組んでいます。1A系には大阪線の連続勾配区間対策が施され、抑速回生ブレーキが失効した際に、速やかに抑速発電ブレーキに切り替えることで下り勾配の安定走行を維持することができます。そのため、1A系の電動車には発電ブレーキ用抵抗器を搭載しており、これが8A系との外観上の相違点になっています。また、1A系の付随台車には1軸当たり1組のディスクブレーキを備えており、勾配対策の面で8A系よりも充実した性能となっています。
■バリアフリー設備の整った客室
客室内の座席は8A系と同様、L/Cシートが配置され、多目的シートの「やさしば」も1両当たり2ヶ所設置されています。また、大阪・名古屋方から3両目には大阪線・名古屋線の一般車両として初めてバリアフリーの多目的トイレを設置。優先席とフリースペースは全車両に設置されていますが、先頭車の先頭部とトイレ部分の優先席は隣接したL/Cシート2脚を充てています。
▲クロスシートモードの様子。この状態では2人掛けの回転クロスシートとなります。
名古屋線ではクロスシートモードを常用しているので、確実に乗車する機会があるはずです。
▲スーツケースやベビーカーを持っている人でも利用しやすく、多目的に使用する事ができる座席
「やさしば」を各車両に2ヶ所設置しています。
▲バリアフリーに対応した多目的トイレを設置。
2026年度は8A系にも設置される予定となっています。
1A系は第1陣として5編成が新造され、このうち名古屋線に3編成、大阪線に2編成が導入されます。営業運転は2026年1月から開始する予定で、2026年度はほかにも奈良線系統にトイレ付きの8A系4両編成4本、大阪・名古屋線系統に3両編成トイレなしの1B系を3編成導入するほか、南大阪線系統にも4両編成トイレ付きの6A系2本を導入する予定です。なお、6A系のカラーリングは8A系と同じ赤塗装となります。
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