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【その後のうごきは…?】EF81 303「銀釜」の「最後の(?)」晴れ舞台

2025.05.22

text:RM photo:皆越和也
取材日:’25.4.18 場所:鹿児島本線 黒崎駅構内貨物ヤード
取材協力:鉄道・運輸機構

 2025年3月15日のダイヤ改正は国鉄型機関車にとっては大変厳しく、関東ではEF65、九州ではED76・EF81のそれぞれ定期運用が消滅するという内容となりました。それから早2ヶ月。「国鉄型がやって来ない」日常も徐々に当たり前になってきています。

▲出発セレモニーのテープカット時の模様。

 本記事では、九州の国鉄型電機のなかでも最も人気が高かったと言える、現存唯一のステンレス機・EF81 303の、ひょっとしたら最後の晴れ舞台となるかもしれない状況をお伝えしましょう。

 2025年4月18日、一般マスコミも注目するある貨物列車の運行がスタートしました。この列車は、建設中の北海道新幹線向けに150mというロングレールを「長いまま」輸送するというもの。北九州の製鉄所で生産されたロングレールを日鉄物流私有のチキ車に積載して運ぶもので、ファンの間では「日鉄チキ」という愛称でも知られ、従来は東海エリア、首都圏エリア、東北エリアまでの運転とされていましたが、今回初めて青函トンネルを超えて北海道の長万部まで運行されます。

▲チキ車の編成を前に、機回し中のEF81 303。

 そのルートは鹿児島本線・山陽本線・東海道本線・武蔵野線・東北本線・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・津軽線・海峡線・道南いさりび鉄道・函館本線というもの。従来の海運とトラックを併用した輸送(レールを一度25m単位に切断して行われる)と比べ、溶接作業が約1/6に削減され、また輸送に必要とされる人員も大幅に少なくなり、環境負荷も低減するというメリットがあります。

▲九州と北海道の地図の間を、レールが形作る「150」の数字で結んだヘッドマークデザイン。

 2025年4月18日にスタートした記念すべき初列車の最初の牽引機に、JR貨物九州支社最大のスターであるEF81 303が抜擢され、ヘッドマークも誇らしく、大役を果たしたのです。「日鉄チキ」の所定運用では始発駅からEH500の牽引なのですが、わざわざ黒崎~北九州(タ)という短区間のためにEF81 303を充当するという配慮に、ファンとしては心熱くなる思いでしょう。北九州(タ)にて所定のEH500形に交代し、以後EF210、EH500、EH800、DF200と機関車を交換しつつ(山陽本線の瀬野八区間ではEF210の後補機も付きました)、4月21日に無事長万部に到着。今後2027年度までに10~15回程度の輸送が計画されているとのことです。

▲出発合図のシーン。


 前述の通り、EF81 303は既に定期運用は持ちませんが、このような臨時や代走にて、検査切れ期限までは走行する機会があり得ます。最後の活躍から目が離せない状況と言えるでしょう。

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