▲2023年より塗装変更され、「N’EX」の愛称ロゴより「E259」の系列ロゴの方がより主張が大きくなった。
‘23.5.10 山手貨物線 渋谷〜恵比寿 P:東條ともてつ
(鉄道投稿情報局より)
2009年に「成田エクスプレス」として登場したE259系。カラーリングも初代「成田エクスプレス」253系のイメージを引き継いだ白・黒・赤の3色でまとめあげられ、大きく「N’EX」のロゴが入れられているのが特徴的でした。そんなE259系は今年で登場から15周年。運用にも変化が訪れようとしています。
【写真】E259系15年の軌跡を写真で見る!懐かしの253系も!
■登場により253系を置き換え
E259系が登場したのは2009年。成田空港滑走路延伸や、2010年の成田スカイアクセス線開通に伴い、直接のライバルとなる京成電鉄「スカイライナー」が新型車導入でさらなるスピードアップを図ろうとしていたことなどを踏まえ、253系に代わる新たな「成田エクスプレス」としてE259系は誕生しました。
2009年10月より運行開始し、置き換えられた253系は、登場から20年経過していなかったにも関わらず、多くの車両が廃車となりました。一部、2002年に製造された200番代は東武鉄道直通特急用に改造され1000番代へ。また0番代3両2本は長野電鉄に譲渡され、特急「スノーモンキー」として生まれ変わりました。これらの車両はいずれも現在活躍中です。
■「マリンエクスプレス踊り子」や富士急行線にも乗り入れ
E259系の登場後しばらくは特急「成田エクスプレス」専用で運行されていましたが、2012年に東京から伊豆急下田までを結んだ臨時特急「マリンエクスプレス踊り子」として抜擢されます。この列車に充当されたE259系は塗装こそ変化はなかったものの、先頭部と側面に特製のロゴステッカーが掲げられていました。
そのほかにも「成田エクスプレス」の延長運転という形で、富士急行線内にも乗り入れていた時期があったほか、コロナ禍において「成田エクスプレス」が一時減便になった際にはE259系の車内を、テレワーク用の臨時シェアオフィスとして活用する試みが行なわれたりと、253系時代ではなかった、空港特急にとらわれない形での活用のされ方もしていました。
■「成田エクスプレス」としての顔から房総特急の幅広いイメージへ
「成田エクスプレス」以外の列車に使用された経歴があるとはいえ、定期運用は変わらず「成田エクスプレス」のみだったE259系。そんな中、2023年3月に車体デザインのリニューアルが発表されました。そこには「空港アクセス特急に限らない多様化した利用目的に合わせた都市間輸送特急をコンセプトの一つにした」というフレーズが含まれており、発表時より「これは暗に房総特急などへの転用を考えているのではないか」とSNS上などで話題にあがりました。
その予想は現実となり、2024年3月改正よりE259系は特急「しおさい」での運用を開始すると先日発表されました。これにより30年以上使用されている255系は運用離脱することに。房総特急にも新たな時代が訪れようとしています。
加えて、新塗装となったE259系の一部で、当初貼り付けられていた「N’EX」ロゴが剥がされている編成が目撃されており、これが全編成に波及するのか、はたまた「しおさい」運用に就く予定の編成のみに限られるのかという点に関心が集まっています。
登場から早いもので15年近くが経ち、鉄道車両として一つの転機が訪れようとしているE259系。長らく都心部と成田空港連絡のみで使用され続けていましたが、これから房総地区でもお馴染みの顔となっていくのか、注目されます。