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貨物列車ファンの注目の的である中央西線での愛知機関区EF64運用ですが、昨年2022年3月のダイヤ改正でついにその一角が崩れ、高崎機関区EH200が一部列車の先頭に立つようになりました。
‘23.1.14 中央本線 塩尻~洗馬 P:尾名高大蔵(今日の一枚より)
‘23.3.8 中央本線 大桑~須原 P:小林誠幸(今日の一枚より)
この時、高崎機関区EH200は関東地区や中央東線・上越線で運用される組(ここでは首都圏組とでもしておきましょう)と、愛知機関区に常駐して中央西線運用に専念する組(中京組)が明確に分けられました。そして愛知常駐機の入れ替えは東海道本線経由の定期貨物列車の機関車次位での回送で行っていました。
愛知常駐は数ヶ月というスパンであるため、希少な中央西線運用は頻繁に撮影に行っても同じナンバーの機関車しかやってこない…という状況だったのです。
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‘23.2.13 中央本線 藪原~奈良井 P:小林誠幸(今日の一枚より)
しかしこの運用が2023年3月のダイヤ改正で変わり、首都圏組・中京組の区別がなくなったのです。どういうことかというと、中央東線運用と中央西線運用を、南松本を起点としてつなげてしまった…とでも言えましょうか。詳しく言うと、A219運用で川崎貨物~南松本へと運用された機関車が、その後A220運用で南松本~稲沢間で愛知入りし、A221~A224でそのまま中央西線運用に就きます。南松本で運用を終えると、A225運用で南松本~蘇我の運用に入り関東に戻ってくるという具合。
このように首都圏と中京が一体的な運用に変更されたことによって、機関車の無動力回送の必要がなくなったわけです。またファン的には中央西線運用に入る機関車が日替わりと言える状況になったことから、1号機や901号機といった特徴のあるナンバーを捉える可能性も高くなったと言えるでしょう。
これだけ大きな変化があった割に、気になるEF64の運用は2往復から減らなかった…というのがファンにとってはありがたいところ。これがずっとつづくわけではないのは自明のお話ですので、ラストチャンスをもらえたと捉えて、しっかり記録と思い出に焼き付けておきたいものですね。
‘22.12.30 中央本線 大桑~野尻 P:井口博元(今日の一枚より)
◆新刊情報 今回のレイル・マガジンは「貨物列車2023」
毎年5月発売で好評をいただいておりましたレイル・マガジンの「貨物特集」。2023年版も、2022年版に引き続き「丸ごと一冊貨物特集!」のムックとして登場です!
特別付録も、毎年恒例の「JR貨物機関車運用表・機関車運用番号入り 主要路線貨物時刻表」を最新版にアップデートの上で制作。機関車運用をしっかり研究して、撮影に役立てていただければと思います。また時刻表の部分は編集部独自のポリシーによるソートを行ったもので、最も撮影者が多い区間で時刻順に並べ直しており、沿線で列車を待つ時に便利さを実感いただけることでしょう。