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ローカル線問題は首都圏でも他人ごとではない…! 久留里線・久留里~上総亀山間について

2023.03.10

 JR東日本では、君津市および千葉県に対し 、 久留里線 久留里~上総亀山間 沿線地域の総合的な交通体系に関する議論を行いたい旨の申し入れを行ったと発表しました。

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写真はイメージです。

‘19.7.25 久留里線 平山~久留里 P:高橋俊輔(今日の一枚より)

 久留里線は千葉県・内房線の木更津駅から、久留里駅を経由して上総亀山までの32.2kmの路線。千葉支社管内の旅客営業路線では唯一の非電化路線で、幕張車両センター木更津派出に所属するキハE130形100番代が運用されています。

 発表された文書によると、久留里線は、1987年4月に日本国有鉄道からJR東日本に承継された後、利用者数の減少が続いており、2021年度の木更津~上総亀山間の平均通過人員は1日当たり782人。1987年比で約7割減少しているとのこと。特に、久留里~上総亀山間については1日当たり55人と鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できていない状況です。

 また、将来の沿線人口は減少することが予想されており、これに連動して久留里線の利用者数は更に減少することが予想されています。JR東日本としては、沿線地域の公共交通を持続可能なものとし、久留里線久留里~上総亀山間の沿線地域の発展に貢献していくために、利用者にとって利便性が向上する交通体系のあり方を総合的な観点から検討する必要があるという考えのもと、千葉県および君津市に対して協議の場を持たせてもらいたいとのことです。

 路線長で言うと木更津~久留里間が22.6km、久留里~上総亀山間は9.6km。該当区間は全体の30%の長さです。久留里折り返しの列車も設定されており、特に昨年12月からは上下6本ずつの上総亀山折り返しが久留里折り返しへとさらに削減されています。現在のダイヤでは9~13時代に上総亀山に発着する列車はありません。

 JR東日本が発表した2021年度の線区別収支データによると、久留里~上総亀山間の年間での運輸収入が100万円(端数を丸めた数字)という驚くべき低い数字が記されています。これはリストに掲載された区間では最も低い金額です。

 この協議が路線廃止や経営の移管といった動きにつながるのでしょうか。そしてそれは決して他人ごとではなく、これから厳しさを増すローカル線の状況なのだということを、ファンも考えていかないといけないのかもしれません。

詳しくはこちら
JR東日本平均通過人員2,000人/日未満の線区ごとの収支データ2021年版

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