text & photo:鉄道ホビダス
取材日:’23.3.1 場所:JR東海名古屋車両区
取材協力:東海旅客鉄道
3月18日のダイヤ改正を機に、特急「ひだ」用車両がキハ85系からHC85系へと世代交代することを記念して、人気YouTuberの鈴川絢子さんがデザイン監修を行ったヘッドマークを装着した車両を運行することは、すでにJR東海より発表されていますが、その現車が公開されました。
もともとヘッドマークの掲出が想定されていないHC85系だけに、ファンの間では「どこにどのくらいのサイズで取り付けられるのか」が話題になっていましたが、貫通扉をまたぐように「ひだ」の文字がセパレートされる形となりました。ベースの色はライトグリーンを踏襲しており、遠くからでも視認性が高いでしょう。
「もともと『ひだ』のヘッドマークはお気に入りのひとつです。そのイメージを崩すことなく、新旧の橋渡しができるようイメージしました」とはデザイン監修を担当した鈴川さん。
文字の中に沿線の形式や名物をあしらったポップなデザインが特徴ですが、「『ひ』の中にキハ85系が入っているところがお気に入りです。編成の自由度が高いキハ85系らしさも表現してみました」と、鉄道好きらしいマニアックなコメントも飛び出しました。
オリジナルヘッドマーク車両は3月3日~31日の期間、HC85系で運行される特急「ひだ」の1編成に掲出されますが、土休日に運行される列車のみ、前日の18時ごろにJR東海エージェンシーのLINEアカウント「メイエキ+」にて告知されるとのことで、事前に確認しておけば、乗車できる確率は高まりそうです。
なお、JR東海は2022年12月に、メタバース上で実施された「バーチャルマーケット2022 winter」に「バーチャル名古屋駅」を初出展しましたが、今回のヘッドマーク掲出は「リアルとバーチャルの融合をテーマ」に企画されたとのこと。
列車の運行期間中、高山駅・下呂駅内に掲出されるポスターのQRコードを読み込めば、オリジナルヘッドマークNFTを無料でダウンロードすることもできます。
今回の企画を担当したJR東海事業推進本部の諏訪さんによると、「鉄道はリアルとバーチャルの融合によって、より多くの方に新しい楽しみ方を提案できると考えています。今回の取り組みは、特急「ひだ」に乗車いただいた記念に無料でお配りするという、鉄道業界でも珍しい試みとなっていますが、今後も広くお楽しみいただける企画を検討していきたい」と話してくれました。
NFTとはじめとするバーチャル企画は、鉄道各社が様々なアプローチで取り組み始めていますが、東海道新幹線を筆頭に多くの列車や車両を有するJR東海が、今後どのような展開を見せるのかにも注目したいところです。
■関連記事
鈴川絢子さんがデザインを監修! HC85系にオリジナルヘッドマークを掲出