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見られないから? ほかの車両と違うから? スーパーレールカーゴの魅力に迫る!

2023.01.29

P:三ツ矢健太

 ドクターイエロー、サンライズ出雲、カシオペア紀行・・・。

 不定期や夜間の運行など理由は様々ですが、国内には出会うこと自体が稀な列車がいくつかあります。

 そして、JR貨物M250系特急コンテナ電車もそのひとつと言えるでしょう。「聞き慣れない名前だな?」と思った方も「スーパーレールカーゴ」と言い換えるとピンとくるかもしれません。この列車は東京貨物ターミナル-安治川口間を走る貨物電車で、2004年から運用されています。

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「貨物電車」が登場した背景
 日本では今も昔も物流の大多数をトラック輸送が担っています。鉄道による貨物輸送も長年にわたり続けられてきたものの、特に速達性が求められる小口の貨物輸送については、いつの時代もトラック輸送が主流です。

 そんな中、モーダルシフト(大量性、定時性、環境性を求めて輸送手段の転換すること)を推進するために開発されたのが、電車貨車方式を採用したM250系でした。

大阪側のMc250-1。先頭部にシングルアーム式パンタグラフを搭載する。【JR貨物・佐川急便パンフレットより】

より早く届けるために
 専用車両のM250系は、「JR貨物初の電車」として、2003年5月に試作車が公開されました。機関車が貨車をけん引する方式の場合、高性能の機関車を使用しても最高速度は110キロです。M250系は電車方式を採用することにより、最高速度が130キロへとアップ。より早く、効率的な物流を可能とするために採用されたのが、貨物電車というわけです。

 また、スーパーレールカーゴは通常16両編成で運用されていますが、前後2両ずつ、計4両の動力車で不随車を挟んで動力を分散させる方式を採用しています。これにより同六を効率的に使うことができ、スーパーレールカーゴの運転により、1日で10トントラック56台分、年間で1万4,000トンのCO2削減が実現しました。

 車体は高運転台構造を採用し、コンテナを積んだ状態だと確かに電車のようなシルエット。一方でコンテナを降ろした姿は大型トレーラーのようで、これまた独特の雰囲気です。前面デザインは直前に登場したEF510形と似ていますが、見比べるとM250系のほうが多少丸みを帯びた仕立てとなっていることが分かります。

専用コンテナのためにトラックも導入
 スーパーレールカーゴはJR貨物が開発・所有する車両ですが、佐川急便株式会社が専用で使用。導入からしばらくはヘッドマークを付けて運用をしていましたが、現在はステッカーへと変更されています。なお、積載する31フィートコンテナも専用品で、佐川急便は専用トラックも導入しています。

陽の下を走るわずかな時間が出会えるチャンス!
 さて、スーパーレールカーゴを見ることが難しい最大の理由は、やはりその運行時刻にあります。時期により多少変動はあるものの、23時台に出発した列車はおよそ6時間をかけて走り、5時過ぎに到着するスケジュールのため、陽が出ている時間に営業路線を走ることがほとんどありません。

 3編成が存在するものの、昼間は大阪に1編成、残り2編成は東京貨物ターミナルにいることが多く、停車状態を遠目に見ることができる程度。通常の運用を見るためには、5時前後に日の出を迎える時期に東京および大阪の終点近くの沿線を狙うほかありません。

 とはいえ、天候不良や他列車の遅延など、ごく稀に日中の営業路線を走らざるを得ない状況になることがあり、鉄道ホビダスにはそんな投稿が数多く寄せられています。ここでは、そんな貴重な姿をお楽しみください。

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