鉄道友の会による2022年ブルーリボン賞・ローレル賞の選定車両が発表され、東京メトロの17000系・18000系がローレル賞に選ばれました。「サービス設備や搭載機器のレベルアップを積み重ねた点や、2系列を基本仕様の共通化による取扱い、メンテナンスの共通化を最大化するとともに、投入線区の独自性の両面を実現」した点が評価の理由とのこと。東京メトロは営団地下鉄時代も含め、これで4度目のローレル賞受賞となります。
そうなると過去の受賞車両も気になりますよね? ここでは、ブルーリボン賞も含めて、過去にどんな車両が賞を受けているかを振り返ってみましょう。
◎ブルーリボン賞
・1000系(2013年)
2012年4月より運用が開始された銀座線用車両です。外観は銀座線開業当時の1000形をイメージしたレトロスタイルで、アルミ車体へのラッピングにより再現されています。同賞においては、「日本で最初の地下鉄である銀座線特有の厳しい走行環境に対して、走行性能及び快適性を新技術により向上させ、併せて省エネ性も高め、さらに外観は開業当時に在籍した車両を彷彿とさせるものであることなどを高く評価」のコメントが出されました。
‘17.1.17 東京メトロ銀座線 渋谷 P:松原政明(※写真は特別仕様車)
◎ローレル賞
・16000系(2011年)
長きにわたり活躍した6000系を置き換えるべく登場した千代田線用車両です。消費電力およびメンテナンスコストのさらなる抑制を目指して、永久磁石同期電動機を駆動システムに採用することで、消費電力の削減とともに低騒音化と保守の簡素化が実現しました。選定にあたっても「より先進的な技術を導入することで省エネルギー社会の実現へ向けて着実に貢献しようという、21世紀における通勤電車の新しいモデルを提示した」点が評価されました。
‘11.12.10 小田急電鉄小田原線 座間~海老名 P:船山太一
・01系(1985年、営団地下鉄時代)
従来のイメージからの脱却を目指して開発された01系は、無塗装のアルミ車体にラインカラーのオレンジ帯を配した新しいデザインで話題となりました。基本的な技術は実績がある8000系までのものをベースとして新技術を追加。また、同じ中野工場で検査を行うことから、丸ノ内線車両との部品共通化を進めるなど、新時代の銀座線車両として意欲的な試みが多数盛り込まれました。
‘13.11.28 東京メトロ 中野検車区 P:臼井 楽(01系は右手の2本)
・6000系(1972年、営団地下鉄時代)
1971年にデビューした6000系は、アルミ車体の本格導入や、回生ブレーキとチョッパ制御方式を世界で初めて採用するなど、当時の最新技術を積極的に取り入れた車両です。また、運転台前のガラスを大形化し、上部に行先表示器、運行表示器も収めることで広い視界を確保。貫通扉を車掌台側に寄せたことによる非対称の前面デザインも画期的でした。2018年の引退時には多くのファンが別れを惜しみました。
‘12.7.17 常磐線金町 P:高橋裕輝