185系

特集・コラム

7月1日「ひだ」でデビュー! JR東海HC85系量産車はどこが変わった?

2022.05.20

text & photo:RM
取材日:’22.5.20 場所:名古屋車両区
取材協力:東海旅客鉄道

 JR東海では、登場から30年以上経過した特急用気動車キハ85系を置き換えるため、ハイブリッド方式のHC85系の投入を計画。2019年に試験走行車4両1編成が登場し、各種テストが行われてきました。

クモハ85形側(高山方先頭車)から見た編成。

 十分な性能と信頼性が確認できたようで、2022年7月1日から高山本線の特急「ひだ」の一部で営業運転が開始されることとなり、量産車が順次登場しています。本日は名古屋車両区にてD3編成(4両)が報道公開されました。

外観

クモロ85形側(岐阜方先頭車)から見た編成。

 今回のD3編成は、試験走行車と同じ4両編成で、クモロ85+モハ84-100+モハ84-0+クモハ85-0という組成。外観上では試験走行車との違いはほぼ無いようです。配布された資料では、今後の増備の過程で4両編成2種(一端にグリーン車を連結するかどうかの違い)、2両編成1種(普通車のみ)という3種類の編成が登場するとされています。

シンボルマーク、フルカラーの側面行先表示器、車外スピーカーなど。

内装
○グリーン車

 グリーン車の内装は、試験走行車では公開されなかったため、今回が初公開。コンセプトは「落ち着いた上質感」で、青色のシートモケットに飛騨家具の木目調を取り入れたデザインとなっています。座席配列は、一般的な2+2列です。

普通車

 こちらのコンセプトは「明るいワクワク感」。沿線の紅葉と花火のイメージをグラデーションで表現した赤色のシートモケットが特徴です。

編成あたり3ヶ所に設置された車いすスペース。

ナノミュージアム
 沿線地域の伝統や文化を車内で楽しめるよう、「nano-museum(ナノミュージアム)」をデッキに新設しました。

ナノミュージアムで展示される予定の特産物など。

走行機構など
 エンジンと一体化された発電装置、車両制御装置(電力変換装置、補助電源装置、主蓄電池などで構成)によるハイブリッドシステムで、ハイブリッド方式としては国内で初めて最高速120km/hでの営業運転が可能となっています。キハ85系と比べて燃費は35%向上し、また1台当たりのエンジン台数も2→1に削減。年間CO2排出量は約6,000トン削減されます。

DIANAの搭載
 走行中のエンジンのデータを、リアルタイムで地上の車両基地に送信し、状態を把握する機構を搭載。不具合の予兆を自動分析し、列車の運休・遅延を坊することが期待されます。また万一の異常発生時にも迅速な対処が実現できます。
【JR東海】在来線車両 状態監視システム「DIANA(ディアーナ)」を315系、HC85系で運用開始

置き換え対象となるキハ85系と並んだHC85系。

運行計画
 7月1日以降に新型車両で運転する列車…ひだ 1、4、10、17号
 8月1日以降に新型車両で運転する列車…ひだ 1、2、4、10、15、17号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加