modeling & photo:折井弘紀
text:RMM
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基本的に鉄道模型は、実在する車両を忠実に縮尺して再現したものが主流ではありますが、もちろん実在する車両でなければならない…なんというルールはありません。そもそも、鉄道模型とは「自分だけの鉄道を楽しむ」という意味合いで、知らず知らずのうちに「架空鉄道」や「フリーランス」をどこかで楽しんでいたりするものです。
今回ここでは、練り込まれた設定を考えた上で実在車両の塗装を変更し、歴史がもし違っていたら存在していそうなフリーランス車両を多く作る折井弘紀さんの作品たちをご紹介いたします!
■幻の「国鉄北陸新幹線!?」赤白の200系
今からちょうど40年前の東北・上越新幹線開業の頃、北陸新幹線の予定地域では、早期実現を願った看板が建てられたり、プリペイドカードが制作されたりしました。「鉄道路線早期実現」系のイメージにはその土地にゆかりのある車両から、当時最新の車両、また実在車両の色を変えた車両など、工夫を凝らした車両のイラストが描かれることが多いですが、この赤白の200系はそんな北陸新幹線の早期実現イメージにあったもの。「これがもし本当に採用されていたら…」という想定のもと塗り替えたものだそうです。
■N700系塗り替えシリーズ!
N700系のカラーバリエーションといえば、大きく分けて白地に青帯の伝統的なカラーリングか、山陽・九州新幹線向けのカラーリングの2種類のみですが、他系式に採用されたカラーリングを纏っていたら…という想定のもと、「レールスター色」と「ドクターイエロー仕様」を製作。レールスター色もドクターイエロー仕様も、元々が700系タイプの車両が纏っているカラーリングであるが故に、その発展モデルとなるN700系でもしっくりくるカッコよさがあります。ドクターイエロー仕様は923形譲りの先頭部のカメラ窓や、窓が埋められた側面にも注目!
■フリーランスボンネット
国鉄特急型である485系列や183系列はJR化後、様々な地域色が登場し、’90年代〜’00年代はその栄華を極めました。そんな多彩なカラーバリエーションの中でも、ボンネット車への採用がなかったものを塗り替えた作品です。特に181系列は現役でJR化を迎えた車両はいないため、より「if」の世界の雰囲気が出ていますが、色鮮やかな地域色はボンネットにもしっかり似合っています。
■同系統の車両のカラーリングへ!
京阪神地区の新快速向けに導入された117系ですが、後継車が登場すると地方線区へ転出し、岡山電車区へ転出した編成は、白地に赤のグラデーションを配した快速「サンライナー」色に塗り替えられました。その117系の後継車である221系も、同じような足跡を辿っていたら…という想定のもと塗り替えた作品。元々が白地ベースの221系にこのカラーリングは新鮮ながらも違和感なく馴染んでいる上に、グラデーション塗装も綺麗に仕上がっているため、あたかも実在していそうな雰囲気になっています。
先日、E2系の200系カラーの登場が発表されたりと、実車の方も現役車両への旧塗装復刻が盛んになりつつある現在、こういった視点からもフリーランスの創造の幅はもっと広がりつつあると言えるでしょう。ぜひ自由な発想でオリジナルの鉄道車両を生み出してみてはいかがでしょうか?