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特集・コラム

「駅」を訪ねて…昭和の商店街、そしてナゾの複線用地「流鉄 鰭ヶ崎駅」【シーナリー散歩】

2022.04.24

取材日:’21.12.28
text & photo(特記以外):羽山 健(RM)
同行取材:遠藤イヅル

 レイル・マガジンで連載した「シーナリー散歩」(誌面連載はレイル・マガジンの定期刊行終了により完結)。WEB編は新タイトルを『「駅」を訪ねて…』として展開致します。今回は前回の平和台駅からさらに一駅馬橋方向に進んで、鰭ヶ崎(ひれがさき)駅を見ていきます。同駅までが流山市内、次駅からは松戸市内になります。

レイル・マガジン2022年3月号(453号)新刊情報

●古くからの集落の中にある小駅
 実はこの駅、流鉄の全7駅の中でも最も乗降人員が少ない駅となっています。しかし秘境駅のような、周りに何もない駅というわけでもありません。むしろ込み入った住宅街の中にあり、ちょっとした商店街(閉店されたところも多いようですが)もあります。昔の写真を見ると、駅前にものすごい数の自転車が置かれていたりもしたので、人の流動が変化してしまった…ということに尽きるのでしょう。

▲駅は1面1線のホームで、平屋建てで比較的近代的な駅舎がホームすぐ脇に建っています。

▲ホームの馬橋寄りから、流山方向を見たところ。ホーム屋根の様式なども近代的。

▲表通りから駅舎までは少し離れていて、スロープ状のエントランスがあります。この広場的なスペース、昭和時代に自転車で埋もれている写真を見たことがあります。

▲駅舎を横方向(裏口側)から見たところ。階段によるささやかな入り口があります。

▲この駅、線路敷部分にもう1本くらい敷けるスペースがあります。交換駅化を検討していたこともあったのでしょうか。今は断片的に保線用具・備品置き場となっています。

▲本連載では必須チェック項目である、ホーム延長・嵩上げの痕跡探し。かつての低く・短いホームのスロープ跡が確認できるとの、右手は後年に延長された部分です。

昭和の商店街の雰囲気
 ささやかではありますが、駅脇の踏切の道路周囲には商店街が連なっています。また、駅裏手に見つけた「丸十パン店」はものすごく昭和っぽい…手作りの総菜パンなどが名物のようです。

▲ホームのすぐ裏にあるパン屋さん。

▲だいぶ小ぶりですがすずらん灯が健在!

西平井変電所と、複線用地
 鰭ヶ崎駅と平和台駅の間は約1.5kmと、流鉄の中でも最も長い駅間距離になりますが、そこにある程度の長さで複線用地が確保されていて、現在は保線資材置き場として活用されています。かつて、複線化を企図して用地を確保したものの、現在は凍結されている跡地とのことです。

▲道路陸橋から、流山方向を見下ろしたところ、線路右手に明らかにもう1本線路を敷けるスペースがあり、バラスト置き場などとして部分的に活用されています。

▲踏切から、馬橋方向を見たところ。

▲架線柱が早くも(?)複線用となっているのがユニークです。

▲上写真の地点から180度振り返って、流山方向を見たところ。複線用地は平和台駅まではつづかず、忽然と終わります。

▲この敷地の脇、道路を挟んで建っているのが西平井変電所。流鉄唯一の変電設備ですが、歴史は比較的新しく、それまでは国鉄馬橋駅から受電していました。

▲「総武流山電鉄」→「●●流●●鉄」という社名変更に関わる涙ぐましい表記変更。

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