開業に際し、1927年に1 – 30の一挙30輌が10ずつ3社で製造された路面電車で、この12は田中車輌製。路面電車ながら車体にはステップがなく、ドアに連動する折りたたみステップをもっていて、この方式は後の71形等の「金魚鉢」まで受け継がれた。ごく初期の鋼製車なので窓枠の上部にRがつけてある等、木造車のプラクティスを残している。30kW x 2と非力で高速・長時間運用の多い国道線では力不足だったため、晩年は北大阪線が主な活躍の場だった。軌道線の輸送減にともない徐々に廃車が進み、この12は1967年廃車、1形は1974年に形式消滅した。 ’64.7 中津 P:小西和之