山陽本線沿線にあったナローの中で井笠鉄道は1971年3月廃止と比較的遅くまで存在した。非電化軽便の例に漏れず、DCが1~2輌の客車を牽引するというのが晩年の列車のパターンだった。数多く在籍した木造客車は軽便ムードいっぱいの魅力的な車輌が多かったが、ホハ12は井笠鉄道のオープンデッキ客車の中でもいちばん凝ったデザインの手すりをもっている。夕日を浴びる木製ベンチ風の座席がいかにも軽便らしい。井笠鉄道の車輌は保存されているものが多く、このホハ12も福山市内に保存されている。(現状未確認) ’67.1.2 笠岡 P:小西和之