元南海電鉄モハ1201形。1500V昇圧で不要となった同車を、京福電鉄福井支社は16輌導入。形式も南海時代の親分たる2001形を襲名(?)した。の認可速度は65km/hなので性能的にも適し、ロングシートながら座り心地、内装ともに定評のある「南海電車」の導入で、京福福井は一挙にグレードアップした。朝夕には急行電車も走らせ、南海時代ではめったに見かけない姿も見られた。写真のモハ2008はもと南海1220で、大きな窓を低くした戦前の南海タイプの絶頂期の逸品である。後に阪神から購入の車体に取り替え、越前鉄道となった現在も下回りは健在なはずである。運転士に言わせると、馬力が強く多少雪が降っても運転可能な頼もしい電車であるそうだが、雪国で高く評価されるとは、南海時代夢想だにしなかったことだろう。 ’76.1 三国芦原線 長田 P:永野晴樹