JR北海道では、老朽化したDE15形ラッセル式ディーゼル機関車の置き換え用として、新型除雪車両キヤ291形ラッセル気動車を今冬期に石北線に導入し、除雪状況などの確認を実施すると発表した。
このキヤ291形、実は今年4月1日現在でのJR北海道車両配置表において、旭川運転所に1番の1両が既に配置されており、度々目撃情報があったが公式的なアナウンスが一切なかったものだ。
現時点でJR北海道ではDE15形を各拠点に12両配備しており、この他にモーターカー型の小型除雪作業車を117台配備して適宜組み合わせての除雪運用を行っている。DE15形はモーターカーに比べると2.6倍もの除雪性能を持ち、また線路閉鎖をせずとも運転できることから、単純にすべてをモーターカー化することは難しい。新製後50年に達しようとしているDE15形の後継となる車両は、同社の喫緊の課題であったと言える。
■キヤ291形の特徴
・車両の両先頭に固定式の除雪装置を設置している。
・除雪性能はDE15形と同等。
・GPSによる除雪車両操作支援装置を搭載。
・除雪装置の状態を撮影するカメラを搭載し、運転室内で確認可能。
・除雪装置やエンジンなど、車両の現在の動作状況を画面に表示するモニタ装置を搭載し、除雪やメンテナンス作業を補助する。
・環境に配慮したディーゼルエンジンを搭載。
・愛称名は「Vermilion Russel(バーミリオン・ラッセル=朱色のラッセル車)」
■除雪装置
▲左:翼展開状態 右:格納状態
DE15形と同構造の除雪装置を搭載している。
■製作両数
1両
■総工事費
約5.7億円
画像提供:北海道旅客鉄道