JR九州は、九州鉄道記念館で開館当時から展示している「キハ四二〇五五号気動車」(キハ〇七形四一号気動車)が国の重要文化財に指定されると発表した。詳細は以下の通り。
▲外装(JR九州プレスリリースより)
▲車内(JR九州プレスリリースより)
■車両仕様
●製造年:1937年
●製造会社:日本車両
●車体長さ:約19m
●重さ:約27トン
●定員:120人(製造時)
■車両特徴
戦前の代表的な機械式(クラッチで変速する方式)気動車で、連結運転の時は双方の運転 士が合図しながら走っていた。昭和27年にはガソリンエンジンをディーゼルエンジンに変更しており、中央2枚が大きい6枚窓と大きな曲面を描く独特の前面も特徴となっている。
■歴史
1937年(昭和12年) :日本車輛製造株式会社にて製造
1952年(昭和27年): ガソリンエンジンからディーゼルエンジンに変更
1957年(昭和32年): 豊後森機関区に配置され宮原(みやのはる)線で使用
1969年(昭和44年): 引退(引退後、豊後森機関区や大分運転所で保管)
2003年(平成15年): 九州鉄道記念館にて展示車両として保存
■文化財としての評価
・車体や内装の多くに製造時の姿をとどめ、昭和初期の旅客車の現存例として重要である。
・機械式の変速装置が残っている唯一の同形車輛である。
・車体の大型化と軽量化、ガソリン機関の出力向上と運行速度の高速化、車両の国産化と標準化を達成し、日本の気動車の技術発達史を俯瞰するうえで貴重であり、鉄道史、社会・経済史、科学技術上において重要である。
(JR九州プレスリリースより/文化庁報道発表資料より抜粋)
■記念カードの配布
重要文化財に指定されることを記念して、特別に記念カードを作成した。九州鉄道記念館に来館した方先着1,000名に配布する。
▲カード表面(JR九州プレスリリースより)