JR東海では、東海道新幹線に使用しているマルチプルタイタンパー(全10輌)について、機能を改良した車輌へ取替えることで、保線作業における安全性の向上や効率化、および異常時における対応力の向上を図ることとした。
マルチプルタイタンパー※は、砕石のつき固め作業を行い、レールのゆがみを是正する保守用車で、バラスト軌道における列車の高速走行時の安全性及び良好な乗り心地の確保に大きな役割を果たしている。
※性能に優れたオーストリア製を従来より使用。
【マルチプルタイタンパーを用いたつき固め作業の概要】
・まくらぎ直下の砕石をつき固めて充填し、レールのゆがみを直す作業
・概ね年1回、東海道新幹線全線で実施(年間約900km)
※工事は1晩で約600m~700mずつ日々実施する。
【機能改良の概要】
(1)つき固め作業ユニットの改良
東海道新幹線では地震対策として脱線防止ガード(以下、ガード)がレールに沿って取り付けられており、つき固め作業の前にガードの転換作業が必要であったが、今回、つき固め作業に影響のない位置まで、つき固め作業ユニットを移動できる構造へ改良することにより、事前のガードの転換作業を不要とする。
(2)脱線復旧用固定ジャッキの新設
マルチプルタイタンパーが万が一脱線した場合において、早期に復旧が可能となるよう脱線復旧用の固定ジャッキを車輌に装備する。
【取替時期】
平成27年度より4年間で、保有する全10輌を取替える予定。