東日本旅客鉄道株式会社では、技術革新の一環としてICTを活用した業務革新をめざして研究開発を進めているが、その一つとして「線路設備モニタリング装置」の開発を進めている。この「線路設備モニタリング装置」を営業用車輌に搭載し、高頻度に線路状態の変化を把握することにより、さらなる安全・安定輸送の確保を目指している。そこで京浜東北線E233系営業用車輌(1編成)に「線路設備モニタリング装置」を搭載し、機器の性能及び取得データに関する検証を行う。
◎線路設備モニタリング装置の概要
「線路設備モニタリング装置」は、「軌道材料モニタリング装置」と「軌道変位検測装置」から構成され、複数のカメラやレーザーセンサーなどを使って線路状態を監視する仕組みとなっている。
(1)軌道材料モニタリング装置
カメラによりレール締結装置等を撮影し、その画像を解析することにより、レール締結装置等の線路設備関係材料の変化(レール締結装置の状態等)を抽出する仕組みとなっている。
(2)軌道変位検測装置
加速度計とレーザーセンサーにより線路状態の変化を測定する。
◎走行試験概要(予定)
【試験区間】京浜東北線 大宮―大船間
【使用車両】京浜東北線E233系
【実施時期】2013年5月~2015年3月
【試験内容】営業列車における機器の耐久性、検測データの精度確認等
・「軌道材料モニタリング装置」の測定データは、車輌基地留置中に随時取得する。
・「軌道変位検測装置」の測定データは、定期的に通信回線により伝送する。
※実用化については試験結果を踏まえ検討を進める。
▲測定状態(軌道材料モニタリング装置)
検測時にはLED照明を当てるとともにレーザー光を出す。
P:JR東日本ニュースリリースより