JR貨物では、貨物駅構内で入換作業に使用してきたDE10形ディーゼル機関車の老朽化が著しいことから、高性能電池技術を応用したディーゼルエンジン発電機と蓄電池の双方の動力源を協調運転するシステムによるハイブリッド方式入換機関車を一昨年より開発している。
そして3月末に試作車が落成することになり、10日、形式名とデザインを発表した。
▼3月末に落成するハイブリッド方式入換機関車HD300-901の外観イメージ。
イラスト提供:JR貨物
車輌形式はHD300で、「H」は機関車の種別であるハイブリッド(Hybrid)を、「D」は動力車軸数(4動軸)、「300」は主電動機の種類(同期電動機)を意味する。また試作車ということで車号は901となり、量産車は1からの連続番号を予定している。
HD300形は、現行の入換機関車と比較して排出ガスは30~40%以上、騒音レベルは10デシベル以上の低減を目標としている。また、CO2排出量もエンジンの効率的運転と回生ブレーキの活用により大幅な低減が期待できる。
外板塗色は昼間の識別に配慮し視認性の高い「赤」で、EF510形と同色となる。端梁部は警戒色である「黄色」と「黒色」の塗り分けとし、車体側面にはハイブリッドをアピールするため「Hybrid」の表記がなされる。
運転台配置はDE10形と同様のセミセンターキャブ方式で、車体長(連結面)は14300mm(DE10:14150mm)、運転整備重量は60t(同:65t)、軸重15t(同:13t)、最大牽引力約20tf(同:約19.5tf)、再大踏面出力500kW(同:約660kW)、最高運転速度は回送時で110km/h、力行時で45km/hというスペックとなっている。