国鉄型気動車で車齢50年を越えるのはDMH17系エンジンを搭載したグループで、すでにJRの線路上からは姿を消している。しかし、その中でもキハ20に限ればひたちなか海浜鉄道、水島臨海鉄道に譲渡車が在籍し、現役で活躍している。
ひたちなか海浜鉄道のキハ205は、元国鉄→JR西日本キハ20 522で、1965年9月3日に新製され、2015年9月3日に車齢50年を超えた。
▲ひたちなか海浜鉄道のキハ205は動態保存に近い状態で、週末の軽い運用に時折入っている。2020.3.30 ひたちなか海浜鉄道 那珂湊 P:廣瀬 匠
本車両は1987年4月1日にJR西日本に承継後、1989年3月27日に廃車となり、水島臨海鉄道に譲渡され、キハ210となった。水島時代にトイレを撤去し、サブエンジン式の冷房装置を搭載されるなど設備の変更が行われた。
その後、水島臨海鉄道を引退したキハ210は、1996年1月にひたちなか海浜鉄道(当時は茨城交通)に譲渡された。譲渡後、形式はキハ20のまま、車号は元鹿島臨海鉄道キハ200形、キハ201〜204の続番となるキハ205となった。キハ205は、譲渡当初は水島臨海鉄道の塗装で使用され、1998年に国鉄一般色となった。ただし朱色の色調が若干異なる特徴がある。
その後、キハ11形、キハ22形、キハ200形、キハ2000形が引退したため、キハ205はひたちなか海浜鉄道唯一のDMH17形エンジン搭載車となった。現在は定期運用を持っておらず、週末などでたまに運用に入る程度。なお、週末の使用車輌はひたちなか海浜鉄道の公式ホームページに掲載されているので、ぜひ国鉄時代の代表的な一般形気動車に乗車して当時に思いを馳せてみてはいかがだろうか?
本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン436号より