2005年にデビューし、その流麗なスタイル、優秀なコンセプトなどから多くの人に愛された小田急特急ロマンスカー・VSE（50000形）。2編成が存在し、2023年の最終運行日からも大切に動態保存されてきましたが、この度、展望先頭車1両が海老名市のロマンスカーミュージアムにて展示されることが確定情報として発表されました。
在りし日のVSE（50000形）。P：RM
50001編成のうち、運転席を含む展望車両をロマンスカーギャラリー奧の中央に配置し、車内を歩きながら観覧できるよう「見学ルート」が設定されます。これは車両の横に新設する階段を上がり、展望席付近にある非常用扉から乗車して、車両連結部にある車掌室を通り抜けて降車するルートで、VSE ならではの高いドーム型の天井や、沿線風景を楽しめるように角度を付けて設置した 座席など、その特長を間近に観察することができるとのこと。
展示を予定しているロマンスカーギャラリー（プレスリリースより）
また、“VSEの乗務員になれる！”をコンセプトにした日付限定の体験型イベントも検討しており、電動はしごを展開して運転席に上り VSE 運転士目線を体験したり、車掌室では扉の開閉やアナウンスを体験できるほか、ロマンスカー乗務員が従前着用していた専用制服のレプリカも貸し出します。乗務員のなりきり体験を通じて、小さなお子さまにも一層楽しんでいただける展示を目指すとのことです。
このVSE展示開始は2026年3月下旬。それに伴い、ロマンスカーミュージアムは2026年2月下旬～3月下旬にかけて搬入工事のために休館となります。
さて、プレスリリースには「展示する展望車1両以外は、解体して廃車」との文言があります。編成状態での永久保存は確かに現実的とは言い難いため、これもやむを得ないか…と感じるところです。
