大井川鐵道は3月5日、2025年4月7日に大井川本線と井川線のダイヤ改正を実施することを発表した。その内容としては、本線につき(1)SL急行列車の始発駅の金谷駅への変更、(2)家山止まりの SL 急行列車の運転区間を川根温泉笹間渡まで延長、(3)普通電車の利便性の向上の3点、井川線は川根本町コミュニティバスとの調整のための運行時間の変更だ。詳細は以下の通り。
▲本改正より金谷駅に乗り入れるSL急行「かわね路号」
‘24.12.23 大井川鐵道大井川本線 家山~抜里 P:中井琢也
(鉄道投稿情報局より)
■大井川本線観光列車
●運転区間・運転時刻の変更等
SL急行「かわね路号」・「南アルプス号」の運転区間と運転時刻を変更する。改正後は、下り方面のSL急行列車はすべてJR東海道線との接続駅である金谷始発となり、また3往復すべてのSL 急行列車が川根温泉笹間渡まで乗り入れる。
〇下りSL列車の始発駅の変更
2011年10月以来SL急行列車は新金谷発着で運転していたため、JR線から乗り継ぐ場合には金谷~新金谷間の接続電車に乗る必要があった。しかし、本改正により、すべての下り方面のSL急行列車が金谷駅始発に変更されるため、新金谷での乗り換えが不要となり、東海道新幹線・東海道線とSL急行列車との接続が改善される。これにより、首都圏・関西圏から大井川鐡道に乗車する際、現行よりも遅い時間帯の新幹線を利用できるようになり、余裕のある行程が実現可能となる。
〇南アルプス1号・2号の川根温泉笹間渡乗り入れ
SL急行「南アルプス1号・2号」の運転区間を新金谷~家山から金谷~川根温泉笹間渡に拡大し、JR 東海道線・東海道新幹線と川根温泉エリアへのアクセスを向上させる。改正後、南アルプス1号は川根温泉笹間渡駅10:49着、南アルプス2号は同駅11:00発となるところ、これにより、大井川鐡道が経営に関わる「大井川鐵道 川根温泉ホテル」や「川根温泉ふれあいの泉」、「川根温泉ふれあいコテージ」などの利用をはじめとした川根温泉エリアの観光が便利になるとのことだ。
〇大井川第一橋梁で「徐行運転」を実施
また、抜里~川根温泉笹間渡で大井川に架かる、大井川本線有数のビューポイントとして知られる「大井川第一橋梁」において、通常より速度を落とした運転を実施する。同社によれば、「大井川の風光明媚な景色を車窓から長くお楽しみいただけるほか、付近の観光施設から『鉄橋を渡る SL の雄姿』を風景の一部としてお楽しみいただけます。」とのことだ。
▲改正前後の下り観光列車の運転時刻の比較
▲改正前後の上り観光列車の運転時刻の比較(画像上2点は大井川鉄道公式プレスリリーフPDFより)
※詳細な運転日は HP を参照。 また、ダイヤ改正日から5月下旬までの平日は、時刻や停車駅の異なる臨時SL急行を運転予定。詳細は改めて告知する。
■大井川本線普通列車
●すべての定期普通列車が各駅停車に
大井川本線各駅の利便性を向上させるため、すべての定期普通列車を各駅停車とする。定期列車として一部の駅を通過する「区間急行」2 本と「快速急行」1 本の運転を取りやめ、代替として普通電車を 3 本増設する。これにより、途中駅での乗車機会が最大で3本増加する。
●朝の普通電車の運転時刻の変更
午前7時台の下り方面の普通電車の金谷の発車時刻を7:14から7:24に変更する。首都圏からは新横浜 6:00発の「ひかり533号」から乗り継ぐ行程が成立するようになり、川根本町コミュニティバスを介した井川方面への一番列車としての機能が強化される。
●川根本町コミュニティバスの時刻変更
大井川本線普通電車の時刻変更に合わせて、川根本町が主体として運営するコミュニティバス路線の時刻も変更になります。詳しくは川根本町のウェブサイト(リンクはこちら)を参照。
▲現在の大井川本線の停車駅案内(2025年3月時点のもの)には多数の列車種別が表記されているが、このうち「区間急行」と「快速急行」の定期列車としての設定がなくなる。(停車駅案内は大井川鉄道公式ウェブサイトより)
▲普通列車に充当される7200系
‘22.12.16 大井川鐵道大井川本線 新金谷 P:松沼 猛
(鉄道投稿情報局より)
■井川線
川根本町コミュニティバスと調整し、運転時刻を変更する。運転本数の増減はない。