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【夕張市石炭博物館】企画展「創業100年夕張鉄道展」、11月4日まで開催中

2024.08.13

 炭鉱の街として栄えた北海道夕張市で、大正から昭和にかけて鉄道路線を運営していた夕張鉄道(株)が今年で設立から100年となるのに合わせて、夕張市石炭博物館で当時の資料を紹介する特別展が開かれています。

▲会場風景。

 夕張鉄道は石炭輸送のため北海道で炭鉱事業を展開していた、北海道炭礦汽船が100年前の1924年(大正13年)に設立。直ちに鉄道の建設に取り掛かり1926(昭和元)年に夕張~栗山間が開業。その後、栗山~野幌間を開業して全線53.2kmとなり、夕張で採掘された大量の石炭は栗山や野幌から国鉄線に乗せられ、室蘭・小樽港等から北海道外に運ばれました。また、夕張と札幌・小樽地区をショートカットする路線として旅客輸送にも活躍し、早くから気動車を導入、国鉄準急「ゆうばり」に対向して、急行列車も運行されました。

 しかし炭鉱の縮小・閉山と、旅客輸送のバスへの転換により、1975(昭和50)年に全線が廃止されました。現在はバス会社として夕張や江別・札幌地区で路線バスを運行しています。

 特別展は、およそ半世紀にわたり、石炭輸送や地域住民の移動を支えてきた鉄道線の歴史を振り返ろうという趣旨で企画されたもの。会場には、蒸気機関車の部品や図面・写真や乗車券類、沿線随一の景勝地であった錦沢駅のジオラマなど、およそ100点の資料が展示されています。

▲錦沢駅のジオラマ。

 このうち、今回初公開となる鉄道ルートを検討するために作成された土木図面では、急勾配の峠を越えるために、列車が進行方向を切り替えながら進む「スイッチバック方式」を含めて、さまざまな経路が図面上に示されています。また、夕張鉄道独自のコンソリ・11形11号のナンバー・プレートや焚口扉為、貴重な資料も展示されています。なおJR(国鉄)や三菱大夕張鉄道を含む鉄道資料は、企画展以外でも2階の常設展示にても若干展示されていますのでお見逃しなく。

▲常設展示の一角。

▲2019年に廃止された夕張支線にまつわる常設展示。

開催日時:2024年4月20日(土)〜11月4日(月・祝)
      【4~9月】 10:00~17:00 【10月~】 10:00~16:00 ※最終入場は閉館の30分前

休館日:火曜日 ※夏休み・お盆の、8月13日(火)は開館

場所:夕張市石炭博物館1階 BAN-HALL(1階は入場無料)
    北海道夕張市高松7番地

 また、「夕鉄の記憶・伝承トーク」(入館料必要)として8月31日(土)13時より、夕張鉄道OBや利用者によるトークイベントを開催。当時の資料映像等を上映する。

 ミュージアムショップではRMライブラリー「夕張鉄道・路線沿革編」「夕張鉄道・車両編」等も販売されています。企画展は入場無料、常設展示は入館料720円(子供440円)が必要。アクセスはJR石勝線新夕張駅下車・夕鉄バスに乗車して夕張市石炭博物館下車。

詳しくはこちら

 これとは別に、夕張鉄道の本拠地でもあった鹿ノ谷駅は駅舎が保存され、ホームへの立入は自由となっています。8月31日・9月1日には南大夕張駅跡で「汽車フェスタ2024」(主催 三菱大夕張鉄道保存会)も開催されます。

▲鹿の谷駅跡。

▲汽車フェスタの会場となる南大夕張駅跡。

三菱大夕張鉄道保存会WEBサイト

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