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JR線乗り入れを考慮した装備も! 南阿蘇鉄道 新型気動車MT-4000形を導入

2023.01.05

 南阿蘇鉄道は、2022年11月下旬、全線開通後を見据えた外国人観光客の受入環境整備を目的に、多言語化に対応した新型一般形気動車MT-4000形を2両導入した。JR線直通乗り入れを考慮し、ATS-DK形運転保安装置を搭載しているほか、半自動ドアシステムや車椅子スペースの確保により、旅客利便性がより向上している。


(南阿蘇鉄道ウェブサイトより)

■車両の特徴
●バリアフリー対応化
 車内に車椅子スペースを1箇所設け、格納式のシートベルトを側壁に設置。乗降もスムーズに行えるよう、車内にもスロープを常備。乗降ドア開閉時は予告灯の点滅とともに、ドアチャイムが鳴動。開扉時は、視覚障碍者用にも分かり易いよう、約5秒間隔でバリアフリー音が鳴るようになっている。

●保安設備の強化
・南阿蘇鉄道の運転保安装置はATS-SN型であるが、JR線直通乗入れを考慮して、最新の運転保安装置ATS-DK型を装備。車上装置に線路データを記憶させ、走行位置と走行速度をコンピュータで常に監視し、速度が過大の際は自動的にブレーキが掛かるシステム。
・専用周波数を使用し無線機から警告音を発し、周囲の列車に異常を知らせる防護無線機と、車両上部に5分間燃焼する発炎筒を新たに搭載。これにより、周囲の列車・係員に異常を知らせ、事故が発生した際の二次災害を未然に防ぐ。

●旅客利便性の向上
・夏季の冷房使用時や冬期の暖房使用時に車内の空調効率をより高められるよう、旅客が必要に応じてドアを開閉できる半自動システムを導入。ドアの自動・半自動は、運転席のスイッチにより切り換わる。
・車両前面に貫通扉を取り付け、2両以上連結した際、車両間を行き来することが可能となる。
・行先表示器に高照度フルカラーLEDを採用し、必要な情報を交互に表示。また目的地により表示させる色を変更することで視認性を向上した。
・GPSと連動した最新のデジタル運転制御システムを導入。停車駅・運転距離により、車内放送、行先表示等を完全自動で作動することが可能になった。

●ブレーキ機能の向上
 従来車に採用した自動空気ブレーキより応答性・整備性に優れた、「電気指令式空気ブレーキ」を採用した。いっさいのブレーキ制御を電気信号にて行う。また、複数のブレーキ回路を保有し、万が一メインのブレーキに不具合が生じても安全に車両を停止することができる。

■車両の概要
・形式:MT-4000形
・最大長:17,970mm
・最大幅:3,160.4mm
・最大高:4,075.7mm
・設計最高速度:95km/h
・定員:115人(着席44人・立席71人)
・自重:31.5t
・機関:SA6D125HE-2(350PS/2,000rpm)
・変速機:TACN-22-1631(変速1段・直結2段)

■デザインコンセプト
 前面から側面に流れる青ラインは南阿蘇鉄道沿線を流れる白川と、沿線に点在する清らかな水源を象徴し、緑ラインは車窓から望む雄大な阿蘇五岳をイメージしている。

■ロゴデザイン
 車体前面と側面に描かれる「n」は、南阿蘇鉄道の愛称「南鉄(なんてつ)」の頭文字であり、同時に阿蘇五岳とそれを囲う外輪山を表現している。10個の小さな楕円形は数珠繋ぎにすることで、立野駅から高森駅までの10駅が、熊本地震から復興し繋がったことを想起させる。


(南阿蘇鉄道ウェブサイトより)

■今後の予定
 2023年1月以降:車両の納車式及びメディア向け公開を予定
 2023年1月下旬から営業運転に向けて総合的な試験と乗務員訓練を実施

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P:皆越和也

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