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西九州新幹線開通で人の動きはどうなった…? 九州経済調査協会&CCCマーケティング総研による開通効果分析結果…!

2022.11.24

 公益財団法人九州経済調査協会と、CCCMKホールディングス株式会社にて、『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として地方課題をさまざまな方と共に解決していくことを目指すCCCマーケティング総合研究所は、2022年9月23日(金)に開業した西九州新幹線について、開通駅エリア(武雄温泉駅、嬉野温泉駅、新大村駅、諫早駅、長崎駅周辺)の開通後1ヶ月の来訪者数や宿泊施設の稼働状況、来訪者像の変化を分析し、その結果を共同で発表した。


(プレスリリースより)

■取り組みの背景
 西九州新幹線の開業により、地域経済の活性化や観光客増加への期待が高まっている。西日本有数の情報拠点として多様なサービス・活動を展開する九州経済調査協会は、オープンデータやビッグデータを収集・解析できる九州地域経済分析プラットフォーム「DATASALAD(データサラダ)」を活用し、開通後1ヶ月の来訪者数や宿泊施設の稼働状況の変化を検証した。また、CCCマーケティング総研では全国約7,000万人が利用するTポイントのデータをもとに、来訪者の特徴や来訪者像の分析を行った。

■九州経済調査協会の分析
 西九州新幹線が開通した2022年9月23日を基点として、開通後の1カ月間(2022年9月23日~2022年10月22日)と、前年の同期間(2021年9月24日~2021年10月23日)について、スマートフォンの位置情報をもとに算出している来訪者数(おでかけ指数)、および宿泊予約サイトに掲載の空室情報をもとに算出している宿泊施設稼働状況(宿泊稼働指数)の市町村別の変化を分析した。

<分析結果>
・観光需要が大きい沿線自治体で来訪者数が増加
 おでかけ指数によれば、開通後1カ月間の来訪者数(20km圏外からの通勤・通学以外の来訪者)は武雄市で90%、嬉野市で73%、長崎市で66%増加。開業初日の記念イベントの効果に加え、特に武雄市では翌日以降も増加傾向が持続。
・周辺地域への波及はまだら模様
 周辺地域も含めた西九州エリアでは、佐世保市や伊万里市でも同期間に来訪者数が増加。一方、在来線沿線の鹿島市や佐賀県太良町のほか、武雄市に隣接する佐賀県有田町や長崎県波佐見町では伸び悩みも。
・宿泊施設の稼働は周辺地域含め上昇
 宿泊稼働指数によれば、西九州エリア全体で宿泊施設の稼働が上昇し、空室が少ない状況。供給が大きい長崎市でも稼働が大幅に上昇。全国旅行支援も後押しに。

■CCCマーケティング総研の分析
 西九州新幹線が開通した2022年9月23日を基点として、開通後の1カ月間(2022年9月23日~2022年10月22日)と、前年の同期間(2021年9月24日~2021年10月23日)の西九州新幹線開通駅周辺1.5kmのTポイントの利用データを用いて、西九州新幹線開通後の開通駅エリア利用者(開通駅エリア居住者は除く)の変化を分析した。

<分析結果>
・西九州新幹線開通後の開通駅エリア利用者は、旅行好きなミドル層(40~60代)の男女
 休日は夫婦や家族と出かけるアクティブ志向で、自分の好きなものはこだわりをもって楽しむ。国内旅行や写真・映像が趣味で、お酒も好む。好きなお酒に関しては、プレミアムラインの限定品や新商品などを積極的に試したいタイプ。
・東京都を中心とした関東エリアからの来訪者が増加
 九州エリア内では、福岡県・熊本県・大分県・鹿児島県からの来訪者に伸長傾向がみられる。
・「鉄道好き」「乗り物好き」なコアファンの傾向が見られる
 「JR時刻表」が特徴的に購入されており、「るるぶ長崎」「まっぷる長崎」の購入割合も高い。また、育児雑誌も特徴的に購入されており、子育て中のファミリー層でもある。
・開通後に九州外からの来訪者拡大傾向が見られるのは、「長崎駅」「諫早駅」
 開通駅の中で九州外からの構成比が最も高くなったのは「長崎駅」で、関東エリアからの来訪者が+5.4ポイントとなった。次いで「諫早駅」で、関東エリアからの来訪者が+3.9ポイントとなった。

 今後も両社は継続してデータ分析を行い、西九州新幹線開通後の変化の可視化に取り組んでいく。

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