レイル・ファンが興味を持つことと言えば、一に車両で二に駅舎…かどうかはわかりませんが、足元を支える「線路」については、多くの方が「知ってるつもり」になっているのではないでしょうか。
「ロングレール」とか「バラスト」とか、概念としては理解していても、ではそれが適用される個所とされない箇所は何が違うのか、それは本質を理解していないとなかなか答えられないのではないかと思います。
本書ではそんな線路の「役割」「構造」「仕組み」について、豊富な図解を用いてわかりやすく解説。教科書的な内容になりがちなところを、カラフルな図版や目を引く写真、箸休め的なコラムを適宜挟み込むことで、気軽な読み物として成立させているようです。
巻頭では、山手線渋谷駅の線路移設工事、東京メトロの線路交換(保守車両への積み込みから)といった現場ルポが掲載されており、一気に「線路ワールド」に引き込む構成となっています。レイアウト志向のモデラーにとっても、知っておいて損のない内容と言えるでしょう。
■発行:イカロス出版
■B5判/116ページ/1,870円(税込)