実に532点におよぶ、全国の鉄道…JR・私鉄・地下鉄のみならず、モノレールや新交通システムまで…の「路線」をキーワードとした大データベースの最新版。
「路線」とみなせるならどんなに短い路線でも1項目を与え（逆に大幹線といえどスペースは限られる。ある意味この「平等性」が本書の編集方針）、沿革から現況、最新のトピックまでをコンパクトな文章で解説。データ部分では駅数・路線長・開通日および全通日・軌間・単複及び電化の有無・主な走行列車および車両・所要時間などが羅列されている。
収録する路線の定義は杓子定規ではなく、例えば「山手線」の項では「大崎～大崎の環状線」と記されており、実際の運行に即していることがわかる。正式な山手線は品川～新宿～田端間のみを示し、田端～東京間は東北本線、東京～品川間は東海道本線に属する…そういった実際の運行とかけ離れた「うんちく」ではなく、実地での乗車や車両の運行の観察に役立つように項目分けされているようだ。なので、正式な路線名とは言えない埼京線や上野東京ラインにも1項目が与えられている。
鉄道150周年の記念すべき年度版ということで、各所に歴史コラムが挿入される。手元に置いておけば読み物として楽しめた上でちょっとした調べものにも便利な一冊と言える。
■発行：イカロス出版
■A4変形判／240ページ／2,860円（税込）
