横浜市金沢区の神奈川県立金沢文庫では、2022年7月29日~9月11日、鉄道開通150年記念の企画展として「湘南電鉄と県立金沢文庫」―楠山永雄コレクション鉄道資料―を開催する。
1930(昭和5)年8月の神奈川県立金沢文庫開館に先立ち、4月1日に湘南電鉄(現京浜急行電鉄の前身のひとつ)が開業し、金沢文庫駅が誕生した。金沢八景を中心とした楠山永雄コレク ションには、関連資料として湘南電鉄も含まれている。
【編集部追記】湘南電鉄(正式には湘南電気鉄道)は、今の京急本線の日ノ出町以南および逗子線を開業させた鉄道会社で、品川~日ノ出町間および大師線などを運行していた京浜電気鉄道の資本下にあった。開業翌年の1931年に両社の路線がつながり、1941年には合併(存続会社は京浜電鉄)。第二次大戦中は小田急電鉄などと共に東京横浜電鉄に合併されいわゆる「大東急」となったが、戦後の1948年に京浜急行電鉄として再度独立した。
同コレクションの鉄道関係資料には湘南電鉄・京浜電鉄のパンフレットや切符が数多くあり、切符は金沢八景、金沢文庫、能見台、などと駅ごとに整理されている。横須賀軍港・キリンビール間の切符などは今はなき駅名も教えてくれる。また、「湘南」から「京浜」に代わり今の「京急」に変わった駅の改名記念入場券などをはじめ、記念切符は干支にちなんだ初詣切符、走行距離記念、新型車両など様々である。国鉄・JRの切符は戦前の2等切符もあり、横須賀線の記念切符が多く集められている。昭和初期の駅スタンプも各駅の名物がわかるものとなっている。横浜市電、シーサイドラインの切符類なども含まれている。
本展では、これらの鉄道関係資料を一堂に展示する。また、楠山氏が勤めていた乳業会社関連で集めた牛関係資料や、戦争関係資料も展示し、楠山永雄コレクションの多彩さを紹介する。
■開催日時:2022年7月29日(金)~9月11日(日) 9:00~16:30(入館は16:00まで)
毎週月曜および会期中の8月12日(金)休館
■場所:神奈川県立金沢文庫
神奈川県横浜市金沢区金沢町142
京浜急行「金沢文庫」駅下車徒歩12分
シーサイドライン「海の公園南口」駅下車徒歩10分
■観覧料金:一般 250円 20歳未満及び学生 150円 65歳以上 100円 高校生 100円 中学生以下無料