既報の通り、「SL冬の湿原号」で今シーズンも活躍する予定であったC11 171は蒸気室のピストンリング損傷により運行を見合わせ、DLでの代走が行われている。2022年2月9日、JR北海道から、故障の状況に関するより詳細なプレスリリースが発せられた。その概要は下記の通り。
‘19.2.3 釧網本線 茅沼~標茶 P:武田雄太
(今日の一枚より)
■ピストンリング損傷に至る経緯
2021年7月5日 全般検査のため苗穂工場入場。蒸気室ピストン弁ピストンリング取替。
2021年11月25日 苗穂工場構内試運転実施、異常なし。
2022年1月12日 釧路運輸車両所構内試運転、異常なし。
2022年1月13日 本線試運転(釧路~標茶往復)、異常なし、全般検査出場。
2022年1月15日 乗務員訓練の試運転を行うため、釧路所での整備中、シリンダー圧力が通常の1/5程度までしか上昇せず、不規則な排気音がするなどの異常があり、調査したところ、左右両方の蒸気室ピストン弁ピストンリングが損傷しているのを発見。
2022年1月26日 調査及びピストンリング取替後、構内試運転実施、異常なし。
2022年1月28日 本線試運転実施。入区後の検査で再び左側蒸気室ピストン弁ピストンリングの損傷が認められ、現在調査中。
■1回目の損傷事象
いつもと異なる製造業者で、いつもと異なる材料を使用して製作した(コロナウイルスの影響)。
(プレスリリースより)
■2回目の損傷事象
いつもの製造業者で、いつもの材料を使用して製作した。
(プレスリリースより)
【編集部追記】別業者が納入した2個のピストンリングがいずれも短期間で損傷したことは、それそのものの製法・材料に原因があるわけではないことを示唆しているように思われる。現時点でその根本的な原因は判明しておらず、復帰が案じられるところだ。