185系

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鉄道博物館のEF55 1、先頭部カバー取付で流麗な姿に!

2022.01.26

 鉄道博物館では、展示中のEF55 1について、それまで露出した状態であった先頭部の連結器を取り外し、開口部を塞ぐカバーを取り付けた状態とした。

(画像提供:鉄道博物館)

 EF55形は戦前期の世界的流線形ブームの中で登場した、日本では珍しい流線形の電気機関車。本来、電気機関車は蒸気機関車と違って進行方向を選ばない、前後どちらにも同性能で走行可能なのが特徴だが、本形式はそこを敢えて前後を限定し、前側のみ流線形として後ろ側はデッキ付きの切妻とした。

前側連結器のアップ。胴受部に可動部の軸があることがわかる。写真は、同機が鉄道博物館に搬入された時の報道公開にて撮影。P:RM

 当然、折り返し時には蒸気機関車と同様に転車台で方向を転換して運用していた。前側の連結器は非常用ということで、通常は180度折り返した位置に収納され、開口部を塞ぐカバーが取り付けられ、余計な凹凸のない、極めてスマートな形態となっていた。

(画像提供:鉄道博物館)

 近年のJR東日本における動態保存運転ではこのカバーは取り外され、連結器は常に露出した状態で運用されており、鉄道博物館でもその形態のままで6年あまり展示を行ってきたが、この度、より新製時の形態に近いカバー取付状態として展示することとなった次第。

 幸い、このカバーは長年所属していた高崎車両センターに保管されており、同機と一緒に鉄道博物館に移管されていたのだが、取付はさすがにワンタッチとはいかなかった。本来は連結器が下→後ろという具合に180度転回して引き込まれるのだが、これはピットのある場所で行っていたようで、平場に置かれた今の状態では不可能だったとのこと。そこで連結器を取り外して、カバーをボルト4本で取り付けたとのことである。

(画像提供:鉄道博物館)

 作業自体は破断や溶接を伴うことなく、1日で終了。もちろん再度の復元も可能だが、当面はこの美しい原形状態で展示されるとのことである。

「おちょぼ口」的な連結器開口部もチャーミングではあったが、原形の美しさが復元されたことを喜びたい。
‘15.4.6 鉄道博物館 P:RM

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