編集部:それぞれのジオラマ作品ともに「完全再現」というよりは、「実景をモチーフにした」くらいに留めているかと思うのですが、それはなぜですか?
SHIGEMON:自分の技術では完全再現を目指すのが難しいというのもありますが、どちらかというと完璧に作りこまれたジオラマを作ることが目的ではなく、作りたいものを作ることや、自分がやりたい工作をすることを優先しているからです。「この工作がしたいからこの情景を作ってみる!」というケースも多いです。
▲「桜と鉄橋のあるジオラマ」の最大の見せ場である満開の桜。「KATOの桜キットを使った工作がしたい」と思ったのが製作の動機だったという。
編集部:そもそも鉄道に興味を持ったのはいつころでしょうか?
SHIGEMON:鉄道に興味を持ち始めたのは幼少期です。当時放送されていた「きかんしゃトーマス」や、勇者シリーズの「ゴルドラン」に登場したC62が変形するロボなど、見ていたものの中に蒸気機関車が多かった気がします。 あとはその頃に両親や祖父母と梅小路蒸気機関車館によく行っていたこともあり、私の場合は特に蒸気機関車と鉄道ジオラマが好きですね。
編集部:鉄道模型ジオラマを作ろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
SHIGEMON:子供の頃からジオラマの世界を走るトーマスの映像や、博物館にあった模型ジオラマ、絵本代わりに眺めていたKATOのカタログに載っていたジオラマを見ては、「自分でもいつかは作りたい」と思っていました。 また、祖父が大工仕事をしており、汽車のおもちゃを作ってもらったり、工作をする様子を見ていたことも影響されていると思います。 何かを作ったり工作するのは昔から好きでしたね。
編集部:近年では3D出力パーツを使った作品が多くありますよね。
SHIGEMON:3Dプリンタは今の工作で必要不可欠になりました。欲しいもののデータを作り、それが立体化されるのは何度やっても楽しいですね!設計ミスや作り直しもあったりしますが、今では必須アイテムです。
▲今回紹介している2作品は、橋脚やガーダー橋部分などが3D出力品となっている。形状の異なる橋脚や、細かいリベット表現に注目!
編集部:ジオラマ製作経験上での失敗談などあれば教えてください。
SHIGEMON:2液性レジンで水を作る際に、ジオラマをひっくり返し大量にこぼしてしまって大変なことになったことはあります。 また、「トンネルと鉄橋のあるジオラマ」では、山を紙粘土で作るつもりでしたが、 あまりに重すぎて「これは無理だな…」と諦め、定番の方法で製作しました。寸法ミスなどはしょっちゅうです。「あの時ちゃんと計っていれば…」ということばかりです。
▲KATO製「波音カラー」のモスグリーンとエポキシレジンという2液性レジンで水表現をした「三複線鉄橋」のジオラマ。以前、2液性レジンを不手際で大量にこぼしてしまった時は根気で半日掃除したこともあるとか。
編集部:最後にこれからジオラマ製作を始めようと思っている視聴者・読者の方に一言あればお願いします。
SHIGEMON:おこがましいかもしれませんが、いい意味でキーワードはテキトーで!そして、ジオラマは楽しいです!
SHIGEMON(しげもん)[YouTubeチャンネル]/[Twitter(@shigemon1227)]
鉄道模型系の動画を中心に活動しているYouTuber。内容は新製品レビューからジオラマ製作や車両工作の他、実車・実景の取材まで多岐にわたる。工作動画は順序立てて編集されており、ナレーションもわかりやすくまとめられているのが特徴。ジオラマは既製品と3D出力パーツを組み合わせることで、オリジナリティ溢れる作品を多く制作している。