JR北海道は来春のダイヤ見直しについて、以下の内容を軸に行うと発表した。
▲今回のダイヤ改正でさらに導入が進むH100形
’20.11.23 函館本線 小沢~倶知安 P:穴田大輔
(今日の一枚より)
■見直しにより目指すもの
・新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立たず、収入が減少していることを踏まえ、今後も鉄道事業を継続するため、固定費を含めた経費節減を図る。
・「Afterコロナ」の時期が到来しても、鉄道利用の需要は完全には戻らないことも想定し、鉄道利用の需要変化にあわせた、柔軟性を持った輸送体系とする。
■見直しのポイント
・特急列車の減便、利用の少ない閑散期の曜日運休、減車による輸送力調整。
・快速・普通列車の見直し、利用の少ない土休日の運休。
・利用の少ない駅の見直し。
・H100形電気式気動車投入による輸送改善。
■主な見直し内容
●特急列車
●快速・普通列車
■実施時期
2021年春予定
■見直しを行う列車について
●札幌~函館間 特急「北斗」
・特急「北斗」は需要低下の大きな影響を受けており、その中でも最終の「北斗23号・24号」は利用が大きく減少しているため、夜間保守間合いの拡大も図るため「北斗23号・24号」を取りやめる。
・「北斗24号」取りやめに伴い、函館行き最終となる「北斗22号」は札幌発を36分繰り下げとする。
・「北斗22号」の後続となる「すずらん10号」も札幌発を28分繰り下げとする。
・「北斗5号・14号」を閑散期の曜日運休とする。(4・10・11月の水・木曜運休、年間30日程度)
・「北斗」の全体的な利用減少を踏まえ、指定席を2両減車して通常の運転は7両から5両とし、利用状況にあわせて増結することとする。
●札幌~旭川間 特急「カムイ」
・札幌・旭川を30分に出発し、前後列車で代替が可能である「カムイ9号・28号・29号・42号」を土休日運転とする。(お盆や年末年始など利用の多い時期も運転、年間230日程度運休)
●旭川~網走間 特急「大雪」
・石北線は利用の季節変動が大きいことから、旭川~網走間を運転する「大雪」4本を閑散期の曜日運休とする。(4・5・10・11月の火・水・木曜運休、年間50日程度)
・札幌直通の「オホーツク」は現行通り運転。
●旭川~稚内間 特急「サロベツ」
・宗谷線は利用の季節変動も大きいことから、旭川~稚内間を運転する「サロベツ3号・4号」を閑散期の曜日運休とする。(4・5・10・11月の火・水・木曜運休、年間30日程度)
・札幌直通の「宗谷」と「サロベツ1号・2号」は現行通り運転。
●閑散期の曜日運休とする特急列車の年間運転イメージ
■普通列車へのH100形の導入について
・H100形電気式気動車30両を新たに室蘭・宗谷・石北線に投入。
・キハ40形などで運転している気動車列車の一部をH100形に置き換え、所要時間を短縮を図るほか、車両の冷房化や低床化、車いすスペースや車いす対応洋式トイレにより、快適な利用環境を提供。
・新たにH100形で運転する列車については、各駅においてボタンを押してドアを開閉し、乗り降りする方式とする。
●室蘭線
○苫小牧~室蘭間
66本中43本をH100形で運転し、同区間を最大11分(平均4分)速達化します。
○東室蘭~長万部間
20本すべてをH100形で運転し、同区間を最大11分(平均8分)速達化します。
●宗谷線(旭川~名寄間)
・37本中34本をH100形で運転し、ダイヤ調整とあわせて同区間を最大31分(平均13分)速達化します。
■石北線(旭川~上川間)
・23本中2本をH100形で運転し、駅の廃止とあわせて同区間を最大7分(平均5分)速達化
■駅の廃止(18駅)
・函館線1駅 伊納駅(旭川市)
・宗谷線 12駅 南比布駅・北比布駅(比布町)、東六線駅・北剣淵駅(剣淵町)、下士別駅(士別市)、北星駅(名寄市)、南美深駅・紋穂内駅・豊清水駅(美深町)、安牛駅・上幌延駅(幌延町)、徳満駅(豊富町)
・石北線4駅 北日ノ出駅(旭川市)、将軍山駅(当麻町)、東雲駅(上川町)、生野駅(遠軽町)
・釧網線 1駅 南斜里駅(斜里町)
■2021年度より自治体による維持管理に移行する駅(18駅)
・宗谷線 17駅 蘭留駅(比布町)、塩狩駅(和寒町)、日進駅・智北駅(名寄市)、恩根内駅(美深町)、天塩川温泉駅・咲来駅・筬島駅(音威子府村)、佐久駅・歌内駅(中川町)、問寒別駅・糠南駅・雄信内駅・南幌延駅・下沼駅(幌延町)、兜沼駅(豊富町)、抜海駅(稚内市)
・石北線 1駅 瀬戸瀬駅(遠軽町)
■駅の無人化(1駅)
・根室線 音別駅(釧路市)